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歴史的なファイフ

※ このページはミュージック・モルノーの許可を得て翻訳・公開しております。元ページはこちらです。

ファイフとは鼓笛隊の横笛のことです。
軍隊式、歴史的、伝統的……。鼓笛隊、民族音楽、ヒストリカル・ダンスのためのファイフです。

ファイフ歴史は、私たちが確認した限りでは、12世紀頃のヨーロッパにさかのぼります。というのも、ファイフはフルートの一種であり、様々な形状のフルートはもっともっと古くから存在するからです。 しかし、横笛(または水平に持つ笛)とは異なるファイフが、その頃に生まれたことは確かです。

ファイフは、基本的には「利点があるテイバー・パイプTabor Pipe」と呼ばれるもので、ほとんどが木製で、内径が非常に細く、低音域の音色と音量を犠牲にする代わりに第2、第3オクターブを強調するようにできています。

その用途は明らかに戦術的なもので、軍隊の「野営任務」や戦闘中の特定の「呼びかけ」のためにドラムと一緒によく聞こえる音楽を演奏するため、軍隊は必ずしも指揮者を見なくても命令を聞くことができる、いわば無線通信の役割を果たすのでした。

しかし、テイバー&パイプ(片手で笛を吹き、もう片手で太鼓を打つ一人楽師)のように、民族舞踊や仕事の伴奏音楽としても知られ、今でも西ヨーロッパの人里離れた村では、このような用途で使われていることがあります。

横笛が進化するにつれファイフも進化し、やがてピッコロとなり、スイスのファスナハトSwiss Fasnachtのような笛と太鼓の音楽文化で使われる楽器となりました。 実際、ファイフを演奏するときは、フルートというよりピッコロと考えた方がよいかもしれません。

ディロン Dillon / カユザック Cahusac モデル

出典 MusiqueMorneaux
左:アメリカン・ボックスウッド製 ディロン/カユザック C管 右:チェリー製 Bb管

Dillon MusicのTeve Dillonは、初期アメリカおよび対応するイギリスのファイフを多く収集しています。そのコレクションから学んだことは、一般に信じられているファイフの歴史に関する多くの神話を覆すものでした。 このファイフはロンドンのThomas Cahusacによって作られたレプリカで、アメリカ独立戦争の頃のイギリスのファイフですが、およそイギリス内戦の頃から19世紀前半まで使われていました。 肉厚で、キーはCです。
 
ご要望があれば、このモデルをBbでもお作りします。これはモダンピッチ(A=440)なので、トラッド・ファイフのピッチ(現代よりも高い音程)より少し低めになっています。 もし、違うものをご希望でしたら、お問い合わせください。

 

カバリア Cavalier(騎士党)- 1600年代モデル・ファイフ

このモデルに興味を持つ何人かの人たちと調査や議論を重ねた結果、イギリス内戦時代のファイフの現存例を入手することができず、現存する資料、当時の絵画やエッチング、イギリスで18世紀に作とされるいくつかのファイフや、スイスで16世紀に使われていたとされるファイフ、そして私がイギリスで扱ったファイフに基づいて、経験的に推測することとしました。
その結果、オリジナルの複製ではなく、17世紀にブリテン諸島(ブリテン島、アイルランド島およびその周辺の島々)で使用されていたと思われるファイフを、イギリス内戦時代に興味のある方々のために移し替えたファイフができました。
私はこれを「カバリア・モデル」と名付けました。音域はモダン・ピッチのA管(現在よく使われている伝統的なBbファイフの半音下)。バロックピッチ A=415hzを基準にするとBbと見なすことができます。小さなトーンホールとアンブシュア、円筒形のボア、18世紀のイギリスのファイフのような厚い肉など、当時の楽器に忠実なデザインです。

現在持っているのはボリビアン・ローズウッド(暗めの色)とブラック・ウォールナットのものですが、別の木を希望される場合はオーダーメイドで製作します。
 

出典 MusiqueMorneaux

カレンダー Callender 1787モデル

出典 MusiqueMorneaux

ウィリアム・カレンダーは18世紀後半にボストンで活躍した木工・象牙旋盤工で、彼の手によるファイフは現在も個人コレクションとして多く残っており、本品もニューハンプシャー州のマンチェスター歴史協会にオリジナルが収蔵されています。 Dillon/Cahusacと同じくC調で、他のモデルと同じように演奏できますが、より薄いデザインで、ボアが若干タイトになっています。 Bbのものについては、下記のYorktown Modelをご覧ください。
 

ウィリアムズバーグ・ピッチ Williamsburg Pitch モデル

出典 MusiqueMorneaux

アメリカで鼓笛隊用品を扱うCooperman Fife & Drum Coのファイフメーカー勤務だった頃、私はColonial Williamsburgが所蔵するファイフのレプリカをColonial Williamsburg Fifes & Drumsで使用するために定期的に制作していました。
近年は、主にヒストリカル・リエナクトメント(歴史復元)の界隈で、個人のためにこのモデルをいくつか作るように依頼されていました。 このモデルは現代の伝統的鼓笛隊が演奏するややシャープなBb(A = 443~5hzあたり)ではなく、やや低めなB(A = 456hz)の音程なので、現代の鼓笛隊の合奏に参加するときには使えません。
18世紀の楽器は、一般的に現在の音程よりも半音ほど低く演奏されます。つまり、18世紀には「D」と呼ばれていたものが、私たちには「C#」のように聞こえるのです。 この点については、チューニングとピッチのページをご覧くださ現在はローズウッドのみですが、過去に他の木材でも製作したことがあります。 他の材をご希望の場合は、お問い合わせください。

フランス 1790年モデル

出典 MusiqueMorneaux

このモデルはフランスの個人蔵のファイフをコピーしたもので、手元の資料では18世紀後半にパリ近郊で活動していた軍隊のものであると断定しています。 現代では「高めのピッチの」D調で、当時の一般的な音程は現代より半音低いので、当時はこれをEb調と見なしたのかもしれません。
なお現在、ヨーロッパのほとんどの国で使われている一般的なファイフやピッコロはEb(A=440hz)です。オリジナル楽器はイントネーションに深刻な問題があり、このレプリカは最初にオーダーしてくださったお客様の要望に応えるため、より良い演奏とアンサンブルのために「調整」してあります。

ラルフ・G・スウィート・コロニアル Ralph G Sweet Colonial モデル

出典 MusiqueMorneaux

先代ラルフ・スウィートは18世紀から19世紀初頭の外観の楽器を求めるファイフ奏者に答えるために、ボストン美術館にあるクレムファイフKlemm fifeをもとに、伝統的なBbで演奏できる、質が良く広く合奏できるデザインとして、このモデルを作りました。 シンプルな1ピース、真鍮製のフェルールを備えています。
キーはC管もありますが、18世紀にはこのピッチが最も一般的でした。

クロース Cloos モデル

出典 MusiqueMorneaux

19世紀末にNYのジョージ・クロース氏が製作したモデル・ファイフからラルフがコピーしたものです。 ニッケル・シルバーのテーパー・フェルールを備え、キーはBb管のみです。 19世紀後半から1950年代にかけて、南北戦争の印象派や鼓笛隊の間で非常に人気のあったデザインでした。

出典 MusiqueMorneaux