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ハープの弦とチューニング


ハープが音を出す仕組みの中で、弦はとても大切な部分ですので、私たちは弦に大きな関心を払ってきました。以下はハープの弦についての一般的な情報と、ダスティーハープの弦についての特筆すべきことです。

チューニングはどうなっているか

多くのハープにはわかりやすいように色のついた弦があります。ふつうはC(ド)の弦が赤で、F(ファ)の弦が黒か青です。ダスティーストリングスのハープを出荷する時は、ふつうはC 調に合わされています。つまり♯も♭もついていません。このチューニングだと、長調の音階は赤い弦から始まって次の赤い弦まで上がっていきます。もしハープにレバーがついていたら、チューニングし直さなくても、調を変えることができます。(詳しくはレバーの項を見てください。)
ハープをC 以外の調にすることもできますが、いくつか注意することがあります。弦の音を高くすることはあまりいいことではありません。サウンドボードや腕木やボディーに余計な張力をかけてしまうからで、ハープはそのような張力に耐えるように設計されてはいないのです。それで例えばA調にすると、F(ファ)、C(ド)、G(ソ)の弦を半音上げることになりますが、それはリスクを伴うことなのです。
C調よりも低くすることは安全にできます。実際E♭ではB(シ)、E(ミ)、A(ラ)が半音低くなっていますが、一般的で汎用性の高いチューニングです。しかし、低くしすぎると、弦が緩くなりすぎて本来の音質が保てないこともあります。


弦のタイプ

特注品を除いてダスティーではナイロン弦を使っています。つまり中音域、高音域ではナイロンの単繊維弦、低音域には様々な巻いた弦を使っています。(下記参照)最初から、ダスティーのハープはナイロン弦を使うことでその力を発揮し、美しい音を奏でるように設計されています。
オプションとしてレバーハープ用のガット弦を用意しています。ガットは自然のものなので、その張力に対する強さはナイロンよりも幅があり、切れやすい傾向があります。つかんだ時の感覚や、幾分暖かく滑らかな音色を好んでガット弦を選ぶ人もいます。ダスティーのハープでは、ガット弦はナイロン弦より少し明るさが足らないようですが、ダスティーの音色の特徴は維持しています。
ブルバール34は他のハープと違って、ペダルハープ用のガット弦のために設計されています。この弦は張力が高く、(コンサートテンションとも言われている)ほかのハープより音色はより暖かく、明るさは控えめで、残響時間は短くなっています。コンサートテンションのレバーハープは、普段ペダルハープを使っているが、ペダルハープより小さくて、なお同じような音色や感じが欲しい人、またはいずれペダルハープに進みたいと思っている学生によく使われています。ペダルハープ用ガット弦は張力が高いので、ブルバール以外のハープには使えません。
フルオロカーボン(フッ化炭素)、合成ガット、KF、カーボンファイバーなどと呼ばれる弦について聞かれることがあります。これはナイロンより密度が高く、音域の狭いハープで明るい音色を生み出し、巻いた弦を減らせるメリットがあります。ナイロン弦と並べて比較すると、演奏者たちの結論は、フルオロカーボン弦は少し硬くて脆く、ダスティーのハープに使うと耳障りな音がするということでした。この理由で、ダスティーではナイロン弦と天然のガット弦だけを提供しています。

ダスティーのハープの弦の構成
 

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中高音域:ナイロン単繊維弦(全モデル)

中音域の低部:ナイロンで覆ったナイロン弦(全モデル)

低音域:燐青銅(銅、錫、燐の合金)の金属弦にナイロンをかぶせたもの(32弦、34弦モデル)鋼を芯にして針金で巻いたもの(ほとんどの4弦モデル)、または、ナイロンを芯にして針金で巻いたもの(セラナ34)


弦を設計し生産するとき、それぞれのハープの全音域でムラのない音の進行を創り出すことを目指しています。ですから一つのタイプの弦から別の弦に変わるとき音質の違いはほとんどありません。
それぞれのハープには弦の一覧表がついています。それを見れば弦の規格とそのハープの推奨されるチューニングがわかります。さらに小さな一覧表もついていて、忘れないようにサウンドボックスの中に貼っておくことができます。
スタンダードな弦ならほとんどどんな弦でも使えるギターと違って、ハープの弦はそのハープに特定なもので、正しい弦かどうか確認することが大切です。もし適していない弦を使ったら、よくても音色やレバーの機能に問題をきたし、悪くするとハープに余分な張力を与えて、壊してしまう恐れもあります。単繊維の弦では弦の太さ(直径)に気を配るだけでよく、ハープの弦を売っている店ならどこででも手に入れることができます。しかし巻いた弦は、素材、直径、長さと、色々と違いがあり、普通そのモデル専用のものを使います。そのため、ハープ製作会社から直接買うか、メーカーに推薦するものを問い合わせてください。


ハープの弦を作る
 

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巻いた弦の作り方

弦はハープの音色、感じ、機能性の重要な部分です。最初の頃、自分たちの巻いた弦を作るのにあたって、(ロビンソン・ハープ工房の)ロビー・ロビンソンさんから貴重なアドバイスをいただいたことに深く感謝しています。彼はハープの弦について知っていることをすべて教えてくれて、弦を巻く機械を作るにあたっては、その作り方を見せてくれました。私たちは弦も自分たちで作っているので、一貫して高い品質を維持していることに確信が持てますし、必要だと思った時には、小さな変更や改良を加えることもできます。
最高の材料を見つけるまで長い時間がかかりました。弦を巻くとき、直径が均一になるように様々な努力をしました。振動する弦が完全に円筒形だと、そうでないものよりずっと純粋で美しい音色になるからです。
ナイロンで巻いた弦は、巻き終わりがレバーの接点とブリッジピンの間に来るように作ります。こうすると巻いた弦に澄んだ音とプロフェッショナルな外観を与え、長い使用に耐えるようになります。
弦の直径を均一に保つことにも注意を払います。レバーがきちんと働くために不可欠なことだからです。ラブランドレバーもカマックレバーもピッタリのサイズで、弦の直径の限られた狭い範囲で最もよく働くようにデザインされているのです。もしレバーと弦が正しく適合していれば、半音上げた弦の音色は、上げていない弦の音色と大きく変わりませんが、もしうまく合っていなければ雑音が出たり、ぼやけた音になったりします。
切れた弦を直径の違う弦に張り替えたりすると、調整ができなくなります。つまりレバーを上げてもきちんと半音上げることができないのです。正しい音色を保ち、レバーがきちんと働くように、1本分の長さの巻いた弦の直径の許容範囲はプラスマイナス0.002インチになるようにしています。


弦を巻く機械
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