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店長の少し偏ったケルト話

ケルトな年末年始「聖ステファノさんの日」

出展 pixabay.com

アイルランドでは、クリスマスの翌日が「聖ステファノの日」通称「ミソサザイの日」で祝日になっています。

ミソサザイ(英語でWren)は、鳥の種類の名前で、世界各地の伝説や神話によく登場する「鳥の王様」の異名を持つ鳥でなんです。

なぜ王様かというと、色々理由があるそうですが、頭に金色の冠っぽい模様があったとか、大きな敵に対した時に真っ先に切込隊長として活躍したとか、鳥の中で一番高く飛べるのは誰かを競った時に(最も高く飛べた)ワシの懐に潜り込み、ワシが精一杯高く飛んで疲れた時にピョンと飛び出し、さらに高くに飛んだとか、いろんな伝説があるそうです。

 

その一方で、不吉な伝説にもたくさん登場するミソサザイは、古くから(主にヨーロッパの)人たちの恨みを買っていたのか、「神様への生贄=ミソサザイ」という気の毒な方程式が定着し、伝統的に「ミソサザイ狩り」が行われていたんですね。

で、この聖ステファノの日も、「ミソサザイ狩り」=悪魔を狩る日として有名だったんです。
その狩りで獲れたミソサザイの羽なりを使って装飾したWren Boys(ミソサザイ少年楽団)が町中を練り歩いて、歌や踊り、演奏を披露するという伝統が中世のころからあったそうです。

今では各家庭のお手製コスチューム(どことなく東北っぽい)に身を包み、演奏にはフィドルやアコーディオン、ハーモニカやホルンを用いて、鳥に関する歌を歌います。

このラン・ボーイズの伝統は、20世紀はじめにほとんど途絶えてしまったそうですが、今でもケリー州ディングルや、いくつかの町で続けられているそうです。

ちなみに聖ステファノさんは、馬の聖人でもあるので、競馬も開催され多くの人でにぎわいます。

同じキリスト教圏でも、英連邦の国では「ボクシング・デイ」という名前で親しまれています。(同じく聖ステファノさんを祝う日です)
ボクシングといってもガッツ石松の方じゃなく、箱に入ったプレゼント(Boxの動詞形:箱に入れる)の意味のボクシングなんですね。

 
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