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その一方で、不吉な伝説にもたくさん登場するミソサザイは、古くから(主にヨーロッパの)人たちの恨みを買っていたのか、「神様への生贄=ミソサザイ」という気の毒な方程式が定着し、伝統的に「ミソサザイ狩り」が行われていたんですね。
で、この聖ステファノの日も、「ミソサザイ狩り」=悪魔を狩る日として有名だったんです。
その狩りで獲れたミソサザイの羽なりを使って装飾したWren Boys(ミソサザイ少年楽団)が町中を練り歩いて、歌や踊り、演奏を披露するという伝統が中世のころからあったそうです。
今では各家庭のお手製コスチューム(どことなく東北っぽい)に身を包み、演奏にはフィドルやアコーディオン、ハーモニカやホルンを用いて、鳥に関する歌を歌います。
このラン・ボーイズの伝統は、20世紀はじめにほとんど途絶えてしまったそうですが、今でもケリー州ディングルや、いくつかの町で続けられているそうです。
ちなみに聖ステファノさんは、馬の聖人でもあるので、競馬も開催され多くの人でにぎわいます。
同じキリスト教圏でも、英連邦の国では「ボクシング・デイ」という名前で親しまれています。(同じく聖ステファノさんを祝う日です)
ボクシングといってもガッツ石松の方じゃなく、箱に入ったプレゼント(Boxの動詞形:箱に入れる)の意味のボクシングなんですね。