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店長の少し偏ったケルト話

アイルランド スライゴの町に伝わるちょっとした伝説

出典 pixabay

今日は、アイルランドのスライゴという町にあるふたつの観光地にまつわる小ネタを紹介したいと思います!

このスライゴ(昔はスライゴーって呼んでた気がしますが、ネットの検索結果ではスライゴの方が主流っぽかったので、そっちの呼び方にしています)という町は、伝統音楽がとても盛んで、その町からアメリカに渡ったフィドル奏者たちによって「スライゴ・スタイル」が確立されています。(文末にもうちょっとだけ詳しく書いています)

そんなスライゴにあるちょっと微笑ましい伝説(昔話)です。

昔々、スライゴの海辺からまあまあ離れたところで、フィアナ君とマックール君が、どっちが石を遠くまで投げられるか勝負しようぜ、みたいな話をしていました。

最初に投げたフィアナ君の石は、勢いよく海の方まで飛んでいき、大きな波を起こしました。
ライバルの好成績に熱くなったマックール君は、誰も持ち上げられなさそうな大きな石を見つけて、「じゃあ、おれはこれを投げてやんよ」と力一杯投げました。でも、残念ながら海には届きませんでした。

「全然飛びませんやんwww」とフィアナ君の取り巻きに笑われ、ブチギレたマックール君は、「ちっくしょぉぉぉぉ」と剣を抜き、岩を真っ二つに切ってしまいましたとさ。

そんな伝説なのですが、フィオナ君の投げた石で起きた波のおかげでサーファーに愛される場所になったのが「ストリーダ・ビーチ」、そして、マックール君にかち割られた石が「スプリット・ロック(割れた石)」という観光名所になっています。
 

また、この割れた石には言い伝えがあって、人が石の隙間を通り抜けれるのは2回までで、3回目に通ると、石がバチン!と閉じて、人がぺちゃんこにされてしまうのだそうです。 もしスライゴに行くことがあれば、ぜひ挑戦してくださいね。


文中にちらっと紹介した「スライゴ・スタイル」ですが、こちらは19世紀後半に地元のミュージシャンによって基盤が作られたスタイルです。
「地元のミュージシャン」という書き方をしましたが、その当時、今みたいにサクサク便利な移動手段もないので、どの地域の音楽も「地元のミュージシャン」によって形作られています。

中でもフィドラーのマイケル・コールマン(1891-1945)の演奏は非常に有名で、彼のスピーディでスラーを多用した弓捌きは、地元のミュージシャンのみならず、多くの音楽家に影響を与えました。マイケルに影響を与えたと言われるのが、同じフィドラーのお兄さんで、そのお兄さんは、お友達のジョニー・ゴーマンの演奏するイリアンパイプの演奏に影響を受けたと言われています。

スライゴに限らず、アイルランドの様々な地域に、その地域ごとに好んで演奏された奏法・リズム・装飾方法・楽器の組み合わせがあります。ドニゴールやクレア、ゴールウェイなどが有名です。

※ マックール君と表記していますが、実際はフィオン・マックールという名前で、フィオン君と表記する方が正確なんです。が、フィアナ君とフィオン君ではややこしすぎるので、マックールの方を使ってみました。

 

 
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