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店長の少し偏ったケルト話

ブルターニュの楽譜地図

先月、母の誕生日がありまして、趣味程度でピアノを習っている母に、店長の好きなブルターニュ出身ミュージシャン、ヤン・ティルセンさん(映画アメリの音楽を作った人)のピアノ楽譜集とそのCDをプレゼントしました。

その「EUSA」という楽譜集について、ちょっと興味深いネタを仕入れたので、ちょっと紹介します。
 

タイトルの「EUSA」は、ブレトン語(ブルターニュの土着の言語、にも関わらずフランスは公用語に認定していない、というネタもいつか書きたいな)で「ウェサン島(Ushant)」という意味なんです。

で、こちらの楽譜集には10曲が収録されています。
楽譜自体は、オサレなTSUTAYAで読むとちょうど良さそうな写真集みたいなにもなっていて、キレイな写真と謎の数字がいい感じに散りばめられていて、バカな店長は「あらあら、オサレですわね」ぐらいに思っていたんですが、実は曲のタイトル、そして散りばめられた数字にはきちんと意味がありました。

というのも、この楽譜集は彼の住むブルターニュ本土からほど近い場所にポツンと浮かぶ小さな島、ウェサン島からインスピレーションを得て作曲した曲が収録されていて、その謎の数字はそのインスピレーション元の座標なんだそうです。

これが、そのタイトル(場所)の名前です。


Porz Goret
Lok Gweltaz
Penn ar Roc'h
Kereon
Yuzin
Roc'h ar Vugale
Penn ar Lann
Enez Nein
Kadoran

ここで、ウェサン島のことをちょっとだけ。
ブルターニュは、フランスの左上に突き出たツノの部分にあるわけですが、そのツノの先に浮かんでる小さな小さな島が、ウェサン島です。
こちら人口は1000人未満、8km×3kmのこじんまりした島です。
とはいえ、歴史において大きな国の間(そう、永遠のライバル英国との間)の海に浮かぶ島は大小に関わらず重要なものでして(補給地やら、休息地、作戦本部的な)わざわざこの島の近くでたくさんの海戦が行われた、なんて歴史があるそうです。最後の戦いが行われてから75年以上が経過して、いまはもちろん平和なこじんまり感と自然が融合する、素敵な島になっています。
 
(ウェサン島をドローンで撮影した動画です)

さて、楽譜集の話に戻るんですが、この楽譜集に連動して同タイトルのアルバムも発売されています。
10曲の楽譜に対して、アルバムは18曲収録と、8曲ほどトラック数が多いのですが、この8曲は次の曲や前の曲の地域で実際に録音した自然の音に、その風景から感じた即興曲が収録されているんです!
なので、例えばアルバムの1番最初の音は、海鳥の鳴く音、波の音、そしてその静かさの中から突如現れるピアノの音、という構成ではじまっています。

このストレスの溜まりがちな時代(2021年1月に執筆しています)、音楽に癒しを求める人も多いと思いますが、そこに「旅」の要素も加えてくれたこのアルバムは、この店長の内に湧き上がる旅行欲をいい感じに鎮めてくれ、なおかつ少し旅をした気分を提供してくれる、そんなアルバムになっていました。

YouTubeでもある程度聴けるみたいなので、よければ聴いてみてください!
 
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