乾燥と天然木の楽器

湿度に注意を払わなければいけないことは、天然木の楽器を持っている人は大概ご存知です。しかしそれがどういうことなのか、どうしたらいいのか知らない方も多いようです。もしあなたもご存知ないのなら、以下のことは乾燥から楽器を守るために役に立つと思います。

・湿度40～50％は天然木の楽器にとって安全な範囲です。40％以下になると乾燥によって割れ目が生じる恐れが出てきます。湿度が下がるほど危険が増します。木は周りの空気に合わせて水分を吸収したり放出したりして40％以下になると縮みます。縮み過ぎると、割れが生じます。

・ほとんどの割れは冬の寒い時期に起こります。もともと戸外の冷たい空気はあまり湿気を含んでいません。それが室内の暖房で暖まると、湿度は急激に下がります。例えば気温が3.8℃の日、戸外の湿度が65％でも、20℃の室内では危険な24％まで下がってしまいます。多くの場所では冬はさらに乾燥していて、さらに危険なのです。

・乾いた状態が長いほど、割れる確率は大きくなります。湿度が低い時、サウンドボードや後ろ側の薄い木材では数日で縮み始めることもあり、厚い部分で数か月のこともあります。天然の木材はそれぞれ異なっているので、特定の楽器に何が起こるか予測することはできません。湿度調整を何もしなくても楽器に大きな問題が起こらないこともあります。ひとつの楽器に割れ目が生じて、他の楽器には何も起こらないこともあります。湿度40％以下ではすべての天然木の楽器にはストレスがかかっていますが、何が起こるか起こらないか誰にも言うことはできないのです。しかし、湿度40％以上で保管すれば、木の状態を適切に保つ限り、乾燥によって割れ目が生じることはないと安心していただいて大丈夫です。

・楽器製作業界では、乾燥による割れは保証の対象にはならないのが一般的です。乾燥によって割れることを避けるために、楽器製作者ができる限り適切な状態の木で楽器を作ることは当然のことです。ダスティーストリングスの楽器は適切な含水量になるように十分乾燥された木材で作っています。楽器がお客様のお手元に届いてからは、楽器の置かれる環境にダスティーが責任を持つことはできません。もちろん修理上のご質問にお答えし、お手伝いすることはできます。

・湿度をコントロールする一番いい方法は加湿器を使って部屋または家全体の湿度を40～50％に保つことです。それが無理なら、楽器用加湿器を備えたケースに入れて保管することです。時々チェックして水を補給する必要があります。私たちのウェブサイトにもありますし、ほとんどの楽器店でも手に入ります。

・湿度に関して問題ないと知る唯一の確実な方法は正確な湿度計で定期的に湿度を測ることです。アクセサリーのページに１つあります。またはお近くの楽器店にお尋ねください。

・乾いた日に戸外に楽器を持ち出すことは心配しなくても大丈夫です。数時間では損害は起こりません。演奏が終わったらすぐに適切な湿度のところへ戻してください。