ビギナーズ・ガイド
● ハープについて
ハープ製作者として、「ずっとハープをやりたいと思っていましたが、本当にできるなんて思ってもいませんでした！」というお声をよく聞きます。ハープというと、人々が思い描くのはオーケストラで使う大きくて豪華で高価なペダルハープで、ハープが手の届かないものと思われるのも無理のないことです。プロになる夢があるのでなければ、ペダルハープを買って習うというのはちょっと考えにくいことです。仮にペダルハープが目的だとしても、とりあえずレバーハープで始める方が簡単です。フォークハープとかケルティックハープとかも呼ばれていますが、レバーハープは一般的に小さく、手ごろな価格で、学びやすいものです。フォークからポップス、ロック、賛美歌、ジャズ、セラピーの音楽まで何でも演奏できますし、ただ心のままにかき鳴らしてみることもできます。
● レバーハープとペダルハープ
私たちが作るハープはケルティックハープ、フォークハープ、あるいはレバーハープと呼ばれ、オーケストラで演奏されている、ずっと大きなペダルハープとは異なっています。ペダルハープは複雑な構造をしており、足元のペダルを使うことで、素早く調を変えたり臨時記号を付けたりできます。それはオーケストラでは必要なことですが、そのせいでレバーハープより大きく、重くなり、また高価になります。
レバーはそれぞれの弦の音を半音上げることのできる小さな器具です。もしハープにレバーがなければ、一つの調の曲（例えばハ長調の曲）なら簡単に弾くことができます。ちょうど白鍵だけのピアノのようなものです。ほかの調を弾くには、チューニングレンチを取って、何本かの弦を調弦し直さなくてはなりません。しかしレバーを使えば、調弦し直さなくても調を変えることができます。もしハープがC（ハ長調）に調弦されていれば、F（ファ）のレバーをあげることで、F♯（ファ♯）にすることができます。これでG（ト長調）になります。Cに戻したければ、レバーを下げるだけです。
● レバーハープでどんな音楽が演奏できるか
何でも弾けます。ケルトの曲から他の地域の民族音楽、クラシック、ジャズ、賛美歌、ポップス、オリジナル曲、即興曲、セラピー用の曲。どんな曲でも演奏することができます。もしオーケストラで演奏することが夢なら、まずレバーハープで始めたらいいと思いますが、やがてクラシックの複雑な曲を演奏するのにペダルハープが必要になってくると思います。
● ハープの大きさ
レバーハープの大きさは膝にのせて弾けるものやストラップをつけて肩から掛けられるものから、人の背丈より高いものまであります。私たちが作るのは中サイズ、26弦から36弦のものです。39インチで26弦のハープは床において子供用のハープとしても使えますし、足をつけて大人用としても使えます。36弦で54インチのハープは豊かな音色で、低音部に音域が広がっていますが、値段も張り、重くなります。ダスティーの大きなハープは小さなハープ同様、初心者にも扱いやすいものです。
■■ 品質、機能、値段 ■■
● ハープの値段
ダスティーのレバーハープは800ドル以下から6,500ドルの範囲ですが、ペダルハープは（ダスティーでは作っていませんが）10,000ドルにもなります。ハープは複雑な構造なので、他の楽器とはちょっと違った価格体系に入ります。金属加工（レバーなど）にかかる費用だけでもハープの値段の中で大きな割合を占めています。1つ組み立てるのには多くの特殊な器具が必要です。安価なハープは、どこかで手抜きをしていると思っていいでしょう。数100ドルでかなりいい練習用ギターを見つけることはできるかもしれませんが、同じくらいの値段のハープは音色や機能、構造に問題があり、演奏を楽しむことができません。音程が定まらない弦やうまく動かないレバーでは楽しくないでしょう。
● ダスティー・ストリングスの中で一番安いハープ
ラベンナ２６は本体とチューニングレンチで795ドルからあります。これだけあれば練習を始めることができます。私たちは予算に制限がある人にもハープを手に取っていただきたいので、本体以外のものは、レバーでさえ後から買い足すことができるのです。下の写真にある部分的にレバーのついたラベンナは945ドルです。
出典 Dusty Strings ホームページ
はい、あります。しかし買う前に周りの人に聞いたり、レビューを読んだり、できたら自分で弾いてみてください。その音色が好きか、造りはしっかりしているか、チューニングピンやレバーの品質はいいか、きちんと付いているか、など確認しておきたいでしょう。例えば、チューニングが難しかったり、レバーがうまく動かなかったりしたら、将来頭痛の種になるかもしれません。
● ラベンナの品質
ラベンナの設計にあたっては、ダスティーの高い品質基準を損なうことなく、いかに値段を下げるかということに配慮しました。当社の工房では最上級のハープを作るのと同じ機械設備と木工技術を使って3種類のハープを作っています。ラベンナを弾く人がその音色を愛し、フラストレーションのない体験をすることを望むからです。我が社の他のハープより安い値段でラベンナを提供できるのは、響胴の組み立てに特殊な技術を使い、その結果、製造過程で大幅に時間の節約ができるからなのです。
■■ はじめの一歩を踏み出す ■■
● さあ、始めよう
私たちに質問してください。私たちはハープの話をすること、特に初心者が色々と選ぶ手助けをすることが大好きです。（大きさは？ケースは必要？予備の弦は？等々）ですから、どうぞメールかお電話でお問い合わせください（+1 206-634-1656 アメリカ）。このウェブサイトもぜひご覧ください。色々な情報がいっぱいつまっています。ダスティーのすべてのハープの写真や音声データもあります。
● ハープを購入する
合衆国内にはダスティーのハープを扱うお店がいくつかあり、もしお近くにあれば、試奏したり、借りたり、うまくいけば中古のハープを見つけたりできるかもしれません。もしお近くになければ、シアトルの工房から出荷することもできます。その場合は、もしご希望に合わなければ、全額返金いたします（送料はお客様でご負担ください）。
● 学ぶ
ネットを使えば、お住まいの町のハープの先生を探すことができます。地域のFolk Harp Society や American Harp Society をチェックしたり、 指導者紹介リストを利用してください。これはハープ奏者のシルヴィア・ウッズが編集したものです。スカイプを使った遠距離レッスンをする指導者も増えています。ですから、お住まいの地域に先生がいなくても大丈夫なのです。また、自分で練習するための本やDVD、Youtubeもあります。
● 本当に私でもできますか？
もちろんです！ハープを始めるのに「適した」年齢などというものはないのです。実際、「始めてよかった」と言っておられる人の中には、70歳代、80歳代の方もおられます。音楽の経験なども必要ありません。経験などなくてもハープで美しい音を出せます。ブログの記事をご覧ください。人前で演奏するのでも、自分の楽しみで演奏するのでも、ハープで奏でる音楽は喜びと平安をもたらしてくれます。そして私たちはハープが世界をさらにいい場所にすると固く信じています。
