私は普段、ケルト文化圏のアイルランドスコットランド、そして北欧の伝統音楽の笛を吹いています。
今回は、皆さんの大好きなリコーダーを、少し違う視点から捉えて頂く機会になればと思い、畑違いの私ですが、執筆をさせて頂くことにいたしました。
さて、私は今この原稿をスウェーデンからお届けしています。
ここでは、スウェーデンの伝統的な縦笛を復刻、普及し、新たな伝統を作るためのサマーコースに参加し、仲間と3日間、寝食をともにしながら、楽譜を使わずに音楽を習っています。
私がこのようなヨーロッパの伝統音楽に出会ったきっかけは、映画の「タイタニック」で日本でも知られることになったアイルランド音楽からでした。
ダンスの音楽を生き生きと奏でる縦笛「ティン・ホイッスル」に夢中になってしまったのです。
ティン・ホイッスルとは、前面に6つの指孔が開いた金属製の縦笛で、裏孔はありません。
リコーダーと同じくフィップル(通気ダクトとエッジ)があるので、誰でも簡単に音を出すことができます。
本稿では、このような裏孔のない笛をホイッスル族と定義します。