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ケルト音楽を地域別に考えてみよう!の第二回はウェールズです。
ウェールズ音楽のことは、ウェーリッシュと呼びます。
さて、ウェールズというのは、アイルランドにおけるゲール語と同じように、ウェールズ語といものが存在します。
ゲール語は大飢饉などの影響で急速に衰退してしまいましたが、ウェールズ語は現在でも、英語と並んで使われている、いまを生きている言語なのです。
地域によっては小学校まで英語を習わないところもあるそうですよ。
そんなウェールズ語という強力なアイデンティティのおかげで、音楽も独自の発展を遂げました。
何よりも、美しい言語を生かす歌(もちろんウェールズ語)が多いのが一番の特徴です。
ぼくたちでは全く歌詞の意味はわかりませんが、どこか「ロード・オブ・ザ・リング」のエルフ語のように妖艶で幻想的な響きがあり、ファンタジー心を刺激してくれます。
(実際、ウェールズ語がいかにエルフ語に、ひいては指輪物語の著者J.R.R.トールキン自身に影響を与えたのかということが「Tolkien, Race and Cultural History: From Fairies to Hobbits」という本に記されています)
なんだか豪快に話が逸れてしまいましたが、ウェーリッシュに話を戻します。
実は、使われる楽器も全然違うんです。
ピブゴーン、ウェーリッシュパイプ、クルースなど…
うん、なにひとつわからない!笑
そんなわけでカンタンに解説を。
ピブゴーンは、ウェールズで最も古い伝統楽器で、葦(あし)のシングルリードがセットされた、パッと見、角笛のようなカタチの楽器です。
そのピブゴーンをバッグの中に装着したパイプが、ウェーリッシュパイプ。
そしてクルースはまな板のような形状をしたフィドルの仲間です。
このあたりの楽器は、また改めて紹介したいと思います!
ちなみに、かつてウェールズの領主が持っていたおかかえ楽団は、ピブゴーン、クルース、ハープという編成だったんだそうです。
また、ブルターニュ音楽の影響をたくさん受けているのも特徴的です。