アイルランド音楽の中でもとりわけ有名な楽器のひとつが
バウロンです。
とてもシンプルな構造で、片側だけに皮が張られた手持ち太鼓は、周りは木の枠、後ろは十字形にわたした木があり、そこを片手で持ち、もう片方の手で
ビーター(右下の棒)を使って、あるいは素手で演奏します。
こちらのバウロンさんは、アイルランドでは古くから演奏に使われていたそうですが、それ自体の用途は、割と最近まで、
ただの生活用品だったんだそうです。
たとえば食べ物を乗せて出したり、パンを焼いたりする、いわゆる台所用品だったとか。(材質は何だったのでしょう)
ただし、
年に数回行われていたお祭りかなんかの時には、それを打楽器として使っていたんだそうです。
お祭り(儀式)以外の、いわゆる
セッションでバウロンが使われたのは19世紀終わりごろ、さらに録音として残っているものになると一番古いものでも1960年代と、比較的新しい楽器だったようです。
台所用品 兼 楽器、なんともアイリッシュらしいカテゴリ分けですね。