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アジアのケルト音楽

東南アジアのアイリッシュ事情について

僕が2回目にアイルランドに行ったのは2000年の2月頃だったかと思います。

タイ航空でバンコク経由でロンドンまで行ったのですが、バンコクのカオサン通りの路上でティン・ホイッスルの練習をしていたら、突然フィドルを持った若いアジア人が演奏に参加してきました。後で話をすると、ネパールにトレッ キングに訪れたアジア系アメリカ人だとのことでした。タイのねっとりとした空気とともに強烈な思い出として残っています。

アイルランド音楽の良いところのひとつに、「共通の曲があれば誰でも一緒に演奏できる」というところがあります。おかげで、旅行先でパブに寄ってセッションに加わるなんていうことができるわけです。団体のパック旅行ではかなわない現地人との交流も、楽器ができれば簡単にできてしまいます。そんな魅力にはまって、僕は好きなアジアの国々に出かけては、セッションに参加しています。

最近、中国や台湾に旅行に行きセッションに参加する人の話を聞きますし、問い合わせがあれば現地の友達を紹介したりもしています。こうやって、アジアのアイリッシュにも目を向ける人が増えて交流が盛んになるのは、とても嬉しい ことです。

さて、今回は東南アジアのアイリッシュ事情について、僕の知っている範囲で書きます。と言っても、僕自身はマレーシアしか知らないのですが、どうやらインドネシア、タイ、シンガポールにも楽しむ方がいるようです。

マレーシアに行ったのは2017年。
かねてFacebookを通じて交流のあったクアラルンプールのパイパー、Fariq Auri氏をたずねました。Fariq氏はプロのサックス奏者としてマレーシアのポップスシーンで活躍する傍らでイリアン・パイプスやティン・ホイッスルの演奏、普及に取り組んでいます。ときおりアイルランドに行き、伝統音楽の研鑽を積んでいるほか、インドネシアのガムランの音階を取り入れた曲などを作り、マレー文化とケルト音楽を融合させたスタイルのバンドで演奏活動しています。

彼によると、クアラルンプールではアイルランド音楽の愛好家は数名おり、定期的ではないものの時々パブなどで集まってセッションを楽しんでいるとのことです。また、インドネシアは文化的にも地理的にも近いため相互にインドネシアのアイルランド音楽演奏家とも交流があるとのことでした。

以前はタイ人のフルート奏者が一時期東南アジアのアイルランド音楽シーンや音楽家を紹介するホームページを公開していましたが、現在はFacebookに機能を移転し、ホームページは閉鎖しています。このグループはシンガポールでの活動の紹介が主なようです。

まだまだ東南アジアでは知られていないアイルランド音楽ですが、ヴァカンスに行く際には、ボイジャー号の惑星探査のような気持ちで、広い東南アジアに同好の友がいるかどうか、検索してみるのも楽しいことでしょう。

なお、この回を書くに当たり、アジアのアイルランド音楽シーンを紹介する新たなホームページを立ち上げようか、なんていう話をたった今、Faliqさんとしているところです。
また、ワクワクしてきました。
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