メアリが軟禁され始めてからも、各地で様々な小規模蜂起(もちろんカトリックの)が起こって、その度に「メアリ女王を救い出そう!カトリック万歳!」的なスローガンが掲げられていたんだって。
もしかしてメアリがイングランドの王室内から扇動してるんじゃない?という疑惑の声が上がったりしたけれど、メアリはそんなこと認めないし、エリーも忙しいし、対して影響力があるわけじゃなかったので咎めることもしなかった。
こういったあくまでも軟禁の身ですが」状態が、なんと19年も続いた。
かつてはフランス王室で蝶よ花よと育てられ、故国に戻った時には国民みんなに愛され、恋をして、時に笑い時に怒り、実に奔放でロマンティックあげるよ生活を愛していたメアリには、軟禁生活は人一倍向いていなかった。
さらに、フランス時代から耳タコに刷り込まれている「私はイングランド女王の血統を持っている」という執念に近い思いは、鎮まるどころか、(メアリ的に)不憫な生活の中で、膨れ上がる一方だった。
イングランド的には「保護してあげてるのに、思想がとっても危険な元女王を、わざわざ養ってあげる理由がない」とエリーに代わって、尻尾をつかもうといつだって目を光らせていた。(エリザベスはいつも世界に目を向けていた))