アイルランドの西端の町ゴールウェイ州のコネマラ地方でのんびり巡査をしているジェリー・ボイル。
勤務中でもビールを飲んでゲームに興じ、スピード違反を悠々と見逃すマイペースな彼の住む、犯罪とは無縁の町で、一件の殺人が起きる。
その直後、国際的な麻薬密輸組織がゴールウェイで取引をするという事件を追って、アメリカからFBI捜査官がやってくる。
麻薬密輸に全く興味のないボイル巡査だったが、皮肉とジョークでのらりくらりとFBIの捜査に巻き込まれないようにしていたが、彼の周りで起こる出来事が、彼を真相に近づけていく!?
現在
アイルランド ゴールウェイ州バーナ、コネマラ、ソルトヒル、スピッダル
アイルランド ウィックロー州
フッカー・バー(Hooker Bar)
ザGホテル(The G Hotel & Spa Galway)
主人公が死期の近いお母さんと訪れる「Hooker Bar」で「Gilderoy」という伝統曲がが演奏されています。
本筋は犯人(麻薬組織)を特定し対峙するまでのミステリー系統のお話ですが、映画「パルプ・フィクション」のように、その合間合間の雑談こそが、この映画の見どころになっています。
そんな雑談には多くのアイルランド人の強烈な皮肉&ジョークが含まれていて、そこからアイリッシュの常識感や現実をうかがい知ることができます。
「アイルランド人=大酒のみのバカ」
こんなステレオタイプなアイリッシュに対するイメージが、世界中で定着していますが、それを逆手にとって
「あえてアイルランド人(大酒のみのバカ)っぽく振舞っているだけで実は賢いんです」
という逆に神話のような性格の主人公の存在そのものが、世界の常識に対しての挑戦なんですね。
アイルランドの常に後ろ向きで攻撃的なジョークセンスは、時代の不条理の中で育まれていきました。
「ガリバー旅行記」の作家ジョナサン・スウィフトは、貧窮にあえぐのアイルランドの現状を打破するえげつない方法を大真面目(な感じ)に書籍にしました。(1729年出版:アイルランドの貧民の子供たちが両親及び国の負担となることを防ぎ、国家社会の有益なる存在たらしめるための穏健なる提案)