現在、カートには商品がありません
カートの中を見る
ご利用ガイド お問合せ

「青年よポテトを抱け」

出展 pixabay.com

ダニーが「英国とアイルランドの統合撤廃」に向けて、ロンドンの議会下で準備をしていた頃、アイルランド国内では、ダニーの穏健でゆるやかなペースの運動に我慢しきれなくなった若者たちが「青年アイルランド党」という組織を作った。

彼らは、ダニーより過激で勢いがあり、アイルランドの自治権を取り戻すため国民の愛国心に火をつけようと試みた。

そこで彼らは、”古き良き”アイルランドを思い出してもらい、自分たち独自の文化を残したい!と思わせようと計画した。
具体的には自主制作の新聞を作り、そこにポエムやコラムなどを載せ、改めて自国の素晴らしさや英国化で失ってはいけない伝統を明確に提示してみせたんだ。

彼らが猛プッシュしたアイコンの中には、今ではアイルランドを語る上では欠かせない「ケルティック・クロス」「ハープ」「円塔」なんてものも含まれている。
そして、何よりアイルランド人としてアイルランド語(ゲール語)を話すべきだ、と一大リバイバルも行った。(学校で教えるようにする、とかね)

アイルランドの英雄ダニー・オコンネルは比較的ドライな視点を持っていたため、英国政府に割り込めた部分が大きいけれど、そのドライな視点から漏れ落ちてしまった「アイルランドらしさ」を拾い集め世間に広く伝えたのが、そんな青年たちだったわけだ。

この時点ではずいぶん素晴らしい団体じゃないか!と思うけれど、彼らは幾分(従来のアイリッシュらしく)過激で乱暴だった。
そんなんだから飢饉に際して、冷たい態度しか取らなかった英国に反乱を起こしたりもしたんだけど、結局はお腹がすきすぎて、どれもうまくはいかなかったんだ。

でも、「文化の復興を伴う独立思想」という点では、後世の人たちに大きな影響を与えたんだから、若者も立派なものだよね。

1840年ごろのアイルランドの若者のお話。
 
  • 友だち追加