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第16回 「八は末広がりとか、嘘八百」

スペインとポルトガルが、スパイスをかけた熾烈な争奪戦を繰り広げている頃、ケルトな国を着々と征服していたイングランドでは、とある色男が国王の座についた。
彼の名はヘンリー8世、通称ハッチャン。

ハッチャンは前国王ヘンリー7世の次男坊、つまり王位継承権のない子どもだったわけで、重要なのはお兄ちゃんの方だった。
 

出展 pixabay.com

そんなお兄ちゃんは、宿敵フランスを倒すには絶対に仲良くしておかないといけない大国スペイン王家の血を引くご令嬢と、なんと2歳で婚約。(おやおや)
でもお兄ちゃんは病弱だったため、残念ながら15歳で死んでしまったんだ。(あらあら)

そんな突然の王位継承者チェンジに戸惑ったのが、スペインだ。

こちとら大航海時代をたくましく生きて、利益を拡大している中で、イングランドという国の王家にスペインの血を入れておきたいと可愛い娘を嫁がせたってぇのに、あろうことか王になる前に死別!?
なんてこった、計算違いも甚だシーサー。

そこで、自他ともに認めるキリスト教の盟主国たるスペインが取った策が、兄嫁をそのまま弟にスライドして嫁がさせる、という無茶振りだった。
キリスト教の教えには反しているけれど、当時世界の頂点を極めんとしていた国王の命令にはローマ教皇も逆らえず、あっさり認可。

かくして、ハッチャンは10歳にして兄嫁と(当然強制的に)結婚させられることになった。
 
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