さて、そんな怒れる猛牛スペインが国旗の赤色めがけて、今にも突進せんとしていた状況で、イングランドにも悩みの種があった。
少しだけ時代を戻して、エリザベス女王の父・放蕩国王ハッチャンが死去したあとのお話。
その頃、イングランドでは
王位継承権争いがし烈を極めていた。
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何せ、ハッチャンが
6度も結婚した妻たちは、血統のはっきりしない人たち(侍女とかね)で溢れかえっていて、王族からは難癖の嵐だったんだ。(お宅のおっかさんは、あれ農民でしょう。うちはあれですぜ、おっとさんもおっかさんも良いとこの出なんですぜ、みたいな)
さらに、
残した子のほとんどが女児。
男の子もひとりはいたんだけど、産まれた時から
「スコットランド女王と結婚させて、イングランドの王をスコットランドと兼任にしようか」みたいな、南海の名捕手(プレイングマネージャー)になる宿命を背負わされたストレスのせいか、15歳という若さで他界。
これでハッチャン血筋には男子はいなくなった。
もちろん、女王でもいいんだけど、お母さん側の血統がもれなく怪しいと来たもんだから、大もめにもめた。
結局、上から順番にということで落ち着き、最初の妻(スペイン血統)との子が死んでしまったので、
2人目の妻(かのアン・ブーリン嬢)の子エリザベスが王位についた。
そんなゴチゃっとした混乱の中、
「ワタクシの方がイングランドの王位にふさわしくってよ!」
と声高に主張した女性がひとり。
スコットランド女王メアリだ。