ティン・ホイッスルを買って、運指も覚えたし、楽譜を読みながら曲を吹くこともできるようになったけれど、なんだか飽きちゃった……。という人もいるかもしれませんね。
ティン・ホイッスルが一番活躍するのは、何といっても伝統音楽の世界。
そこには奥深い楽しみ方があなたを待っていますよ。それでは、ご案内しましょう!
ティン・ホイッスルの手軽さに惹かれて楽器を買った方の中には「伝統音楽って何?」っていう方もいることでしょう。
ティン・ホイッスルで演奏するにはケルト音楽、中でもアイルランドの伝統音楽が一番適しています。こんな風に、楽しげな音楽をフィドル(ヴァイオリン)やギターやアコーディオンなんかと一緒に演奏する音楽です。
まずは聴いて好きになることから。
おすすめのプレーヤーについては、こちらでご紹介しています。
彼らの名前で検索すると、YouTubeにたくさんの動画がヒットしますし、CDをAmazonなどで購入することもできます。
最初に聴きやすいCDは、マイケル・マクゴールドリック(Michael McGoldrick)、ジョーニー・マッデン(Joanie Madden)、ルナサ(Lunasa)、フルック(Flook)あたりでしょうか。
ぜひ検索してみてくださいね♪
こんな風に吹けるようになりたい! と思う情熱が、伝統音楽の扉を開く鍵なのです。
出典 pixabay.com
CDを聴いていると、なんだかどの曲もブンチャカブンチャカと音が細かく動いていて、さっきからずっと同じ曲をやっているみたい…と思うかもしれません。
伝統音楽の演奏には、ルールというか、習慣があります。
16小節、または32小節の短いメロディを何度も繰り返すんです。
伝統音楽ではいろいろな楽器が使われますが、メロディを演奏できる楽器は、みんながメロディを演奏します。これをユニゾンといいます。
クラシックみたいにハモったり、ジャズみたいにアドリブソロを取ったりしません。
どれも同じ雰囲気に聞こえるダンス曲には、リズムの種類がいろいろあります。
2/2のリール、6/8のジグ、跳ねる4/4のホーンパイプ、2/4のポルカなど…
この違いについては、『はじめよう!アイリッシュ・セッション』という教本で詳しく解説していますので、読んでみてくださいね。
そして、同じ曲を何度も繰り返し演奏すると、同じリズムの別の曲に移ります。
前奏も間奏も後奏もなく、ひたすらメロディだけを演奏するのが伝統音楽のスタイルなのです。
例えば、先ほど(1)でご紹介した動画では、6/8のジグを3曲メドレーにして演奏しています。
1曲目を2回演奏すると、0:58のところで2曲目に移り2回演奏して、1:54で3曲目に移り2回演奏しています。
ちなみに、彼が吹いているティン・ホイッスルはジェネレーション(Gerenation)というブランドの1000円くらいのものなのですよ!本当にお手軽ですよね♪
リズムの違いが分かるようになると、聴くのがもっと楽しくなりますよ。
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「もう、楽譜を読みながらいっぱい曲を吹いてみたけれど!?」
まあ、そうおっしゃらずに……。
伝統音楽は耳を頼りに今まで脈々と受け継がれてきた音楽です。
楽譜を使う音楽との一番の違いは、メロディを完全に覚えて自分のものにしてしまい、自由に演奏しちゃうことです。メロディをちょっと崩してみたり、装飾を変えてみたり、テンポやスイング感を変えてみたり、思いのままに演奏して良いのです。
まずはこちらの楽譜コーナーにある楽譜を使って練習してみましょう。
ただ書いてある通りに1回通して吹いても、ツマラナイですよね?
メロディを覚えなければ、楽譜から外れることはできませんから、まずはメロディを覚えましょう。次に、参考音源のように装飾や変奏を加えながら何度も繰り返し吹いてみてください。
ちょっと自分の思っている曲の雰囲気と違うな、と思ったら、テンポを変えてみたり、吹き方を変えてみたり、いろいろと試してみてください。
そうしているうちに、あなたなりの曲に仕上がります。
同じ曲でも10人いれば10通りの演奏があるのが伝統音楽の面白いところ。
ぜひ、市販されているCDで、お気に入りの曲を探してみてください。
ここのサイトで曲名を検索すると、どのCDに収録されているのかチェックすることができます。
伝統音楽は、車も電話もなかった時代のアイルランドの農村で、地域の人たちの結びつきを強める娯楽でした。
どんな楽器でも同じメロディを演奏するので、グループが2人でも10人でもかまわないのです。
それに、ジャズや歌謡曲と違い、伴奏が無くても演奏することができます。
曲もシンプルで、2オクターブ以内の狭い音域のメロディですので、技術的に無理なく、子供もお年寄りも一緒に演奏することができます。
めいめいが得意な楽器を持って、演奏の輪に加わる音楽なのです。
なんだか、「こっちへおいでよ!一緒に演ろうよ!」って言われているみたいでしょう?
こんな音楽を1人だけで練習するのはもったいないですよね。
ぜひ、いろいろな楽器の人とつながって、一緒に演奏しましょう。
仲間を見つけるには、パブや喫茶店で開催されるアイリッシュ・セッションに顔を出すのが一番!
地方の方は、身近なピアノやギターをしている人を探して、一緒に合わせてみてください。
きっと、もっと楽しくなりますよ!