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アイリッシュ・フルートが今でも伝統音楽で使われている理由
現代のアイルランドでは多種多様な楽器が演奏されていますが、18世紀までのアイルランドではダンス音楽を奏でていた楽器は主にバグパイプとフィドルでした。なかでもバグパイプは演奏法に大きな影響を与えました。

アイリッシュ・フルートの円錐管のボア(内径)のデザインは、バグパイプの持つリードの音に近い、硬質な音色を生み出します。そしてモダン・フルートがキーを通じて指孔をおさえるのに対して、アイリッシュ・フルートは直接指孔をおさえるため、装飾音への反応が速く、「スライド」などのバグパイプの装飾音が再現できます。

アイリッシュ・フルートの運指はバグパイプとほぼ共通です。伝統音楽のほとんどの曲が#が1つか2つの調であるため、アイリッシュ・フルートはこれらの調を演奏するのに、とても適しています。モダン・フルートとの最大の違いは、アイリッシュ・フルートでのファ#は、モダン・フルートではファのナチュラルになってしまうことです。

モダン・フルート固有の制約のためにアイリッシュ・フルートとはニュアンスが変わってしまうものの、モダン・フルートでも十分、伝統音楽を演奏することができます。例として、アイリッシュ・フルートの工房ができる前の1970年代以前は、手に入りやすいモダン・フルートで伝統音楽を演奏していた時期もありました。