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アイリッシュ・フルートに至るフルートの歴史
オーケストラやブラスバンドで演奏されているモダン・フルートは、19世紀半ばに生まれた、比較的新しい楽器です。19世紀のヨーロッパでは、様々な木製のフルートが演奏されていました。

1つだけキーがついた、指孔の小さな木製のバロック・フルートトラヴェルソ)と、それに半音をなめらかに演奏するためのキーをつけた多鍵式フルートです。

多鍵式フルートはロマン派のクラシック音楽を演奏するために作られたので「ロマンティック・フルート」とも呼ばれました。当時のフルートの生産地は大きく大陸とイギリスでした。
ドレスデン(ドイツ)やパリ(フランス)など大陸のフルート工房でつくられたものは指孔が小さく、トラヴェルソの運指を適用できることが特徴です。一方、ロンドンのフルート工房では、音量を増やすことを目的に指孔を大きいのが特徴です。

アイリッシュ・フルートは、これらのロンドンで製造されたフルートがモデルとなっており、当時を代表する工房であるルーダル&ローズRudall & Rose プラテンPrattenの2つのモデルが最も伝統音楽の演奏に適しているとされています。
 
フルートの歴史について詳しくは、前田りり子さんの著書「フルートの肖像 その歴史的変遷」をお読みください。すっきりとまとまっており、理解しやすいです。
 
こちらの英文サイト「FLUTE HISTORY.com」もおすすめです。
 
トラヴェルソの演奏
多鍵式フルートの演奏
モダン・フルートの演奏