ティンは「ブリキの」を意味することからもわかるように,ティン・ホイッスルは元々ブリキの板を巻いて作っていました。現在でも多くは真鍮、ニッケル、アルミなどの金属製です。金属製のホイッスルの良い点は、なんといってもメンテナンスが楽なことにあります。
湿度や温度、直射日光、吹いたあとの水滴の処理…そういったことが、ほとんど必要ないのが特徴です。
また、クラシックのフルート(銀色)と違い、水や洗剤で丸洗いすることも可能です。(クラシックのフルートはキーの裏にタンポと呼ばれる繊細な膜が張っているので、絶対に洗わないでください)
木製のホイッスルはそれほど多くはありませんが、金属のティン・ホイッスルでは得られない、「木」独特の温かくまろやかな音色が特徴です。吹き心地も秀逸です。
金属には様々りますが、当店でも取り扱っている楽器としては「ブリキ」「真鍮」「ニッケル」「アルミ合金」の4種類があります。
ざっくりした特徴としては硬度によって、息を吹き込んだ時の反応がかわります。
硬い金属ほど輪郭のはっきりした音色になり、やわらかい性質を残した金属ほど、まろやかな音色になります。
ティン・ホイッスルに多く使われているのが、このアルミニウム合金です。
アルミニウム自体は、とても軽く柔らかい金属として知られていて、1円玉の原材料になっています。
ただし、そのままでは強 度が弱く、傷がつきやすいため、銅、ニッケルなど色んな金属を混合して作られたのが「アルミニウム合金」です。
合金はアルミニウムの特性を残した軽さのまま、強度(硬度)が増したため、非常に多く使われることになりました。
アメリカの手作りケルトの笛職人マイケル・バーク氏のアルミ製ティン・ホイッスルです。アルミ製は楽器の軽さ、音色の透明感が特徴です。
アメリカの手作りケルトの笛職人マイケル・バーク氏のアルミ製ティン・ホイッスルです。少ない息で鳴らすことができ、高音も吹きやすいです。
アメリカの手作りケルトの笛職人マイケル・バーク氏のアルミ製ロー・ホイッスル Viperモデルです。
真鍮は黄銅という別称がある通り、黄色い(金色)金属です。
原料は銅と亜鉛の合金で、5円玉の素材となっています。
銅は鉄に次いで硬い金属なのですが、性質上サビが出やすいため、亜鉛と混ぜることでその点を改良しています。
その名残りか、少し色が変わりやすい(くすみやすい)のですが、金属磨きクロスで磨くことで、本来の輝きを取り戻すことができます。
また、他の金属と比べ重量感があります。(各商品情報をチェックしてみて下さい)
他の金属と比べて、まろやかな音色が特徴です。
アイルランドに工房を構えるFeadógファドーグ社の真鍮製ティン・ホイッスル。最も安価な機種でお試しに買ってみるには良いかも? 音色はややカスレ気味なので、ワンランク上の機種「Pro」もご検討ください。
アメリカの手作りケルトの笛職人マイケル・バーク氏の真鍮製ティン・ホイッスルです。真鍮製は温かな音色が特徴です。
アメリカの手作りケルトの笛職人マイケル・バーク氏の真鍮製ティン・ホイッスルです。少ない息で鳴らすことができ、高音も吹きやすいです。
古い時代からブリキは安く手に入り、カンタンに加工できることから、ティン・ホイッスルの発展に大きな影響を与えました。
錫(すず)という金属を加工し、錆びにくい素材に改良されたものを指します。
ただし、他の金属に比べてやや柔らかいため、外からの圧力(強く押したり、踏んだり)に弱くなりますので、注意が必要です。
Sweetoneスウィートーンはイギリスの老舗メーカー「クラーク社」が製造する、澄んだ音色が特徴の、円錐管ティン・ホイッスル D管です。
ニッケルは原子番号28の金属元素そのものです。
美しい光沢があり、耐食性が強い(サビにくい)のが特徴で、50円玉や100円玉の原料としても使用されています。
(ニッケルと銅の合金)真鍮よりも硬い金属で、音色も少しシャープに聴こえます。
アイルランドに工房を構えるFeadógファドーグ社のニッケル製ティン・ホイッスル。同社真鍮製のモデルよりも改良されたマウスピースを用いることで高音が出しやすくなっている、当店で一番人気の楽器です!
木は金属と違い、材質ごとの硬度にバラつきがありますので、硬い材質を選ぶことが必要となります。
また、木製のティン・ホイッスル自体が、世界を見回してもそれほど多くありません。
Jonatha Swayne氏のホイッスルは、ヨーロッパ黄楊(ツゲ、英名European boxwood)という、将棋のコマにも使われている硬度の高い材質で、非常に高級感のある、木独特の音色が特徴的です。
また、Swayne氏の工房ではモペインという絶滅の危機にある黒檀よりも入手の難しい材質で、ロー・ホイッスルなども製作されています。
リコーダーの素材として広く知られているABS樹脂は、アクリロニトリル(A)ブタジエン(B)スチレン(S)を混ぜたもの。堅牢で、ある程度の衝撃に強く、何より軽いのが特徴。また、どんな色にも着色できるそうです。
楽器としては、金属類よりもさらにメンテナンスがラク。(サビがない!)
最も気楽に取り扱える楽器で、(あんまりないと思うけれど)雨の中での演奏も可能。
ただし、落とした上に踏んづけてしまったら、おそらく破損します。(そりゃそうだ)
アメリカのスザート社製造、ABS樹脂製の1キー付きローホイッスルです。キーは半音階を演奏するためのものではなく、手の小さな方が指孔をおさえやすくするためのものです。
アメリカのスザート社製造、ABS樹脂製の2キー付きローホイッスルです。キーは半音階を演奏するためのものではなく、手の小さな方が指孔をおさえやすくするためのものです。