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日本のケルト音楽

O'Jizo 1sr アルバム「Highlight」

 

2011.10.12 SALE / 全9曲 / 書き下ろし冊子「読むO'Jizo」封入
¥2,100 [tax in]
発売元 TOKYO IRISH COMPANY / 販売元 メタカンパニー


アイリッシュ・フルート&ホイッスル、フィドル、ギター、アコーディオン&ブズーキの4人組、O’Jizoの初アルバム作品。旋律楽器3つ、或いは旋律楽器2つと伴奏楽器2つによる、アイルランド伝統音楽特有のユニゾンアンサンブルの迫力は圧巻。

爽やかなギターのイントロから始まるtrack1、絡み合う旋律や伴奏のアンサンブルを存分に味わえるtrack4,6、track2,3,5などのメンバーによる情緒溢れるオリジナル曲、スローチューンの曲の美しさを素直に伝えるtrack9と、様々なアレンジ、曲調、楽器の組み合わせが一枚で楽しめる、まさにO’Jizoの "Highlight"です。


《収録曲》
  
1. Up (Phillippe Barnes)
2. Trip to Tsudanuma
3. Shere Is Jig?
4. High Reel
5. Midnight Fire Station
6. High Drive
7. Fox's Wedding
8. Canon
9. Si Bheag Si Mhor (Turlough O'Carolan)
 
   

プロフィール


2008年結成、豊田耕三、長尾晃司、中村大史によるアイリッシュ・ミュージックのインストルメンタル・バンド。
アイルランドの音楽を中心に、メンバーそれぞれの表情豊かなオリジナル曲も演奏する。
それぞれのバックグラウンドに裏打ちされた確かなテクニックを基盤に、伝統音楽の枠を超えたスケールの大きな演奏やアレンジを展開しながら、その温かくエネルギーに満ちあふれた音楽で幅広い層を魅了している。

2008年、ライブレコーディングアルバム「Live at KENNY’s」(未流通)発表。
2010年、コンピレーションアルバム「TOKYO IRISH GENERATION」参加。
2011年、初のアルバム「Highlight」発表。
その後、フィドルの内藤希花が活動休止となり、3人編成となる。

首都圏各地のアイリッシュ・パブをはじめ、学校での芸術鑑賞会や屋外イベント、海外のダンサーを交えての演奏、全国各地でのツアー等様々な場所で演奏している。
2014年、テレビ東京「オレゴンを歩く~LONG TRAIL HIKING~」テーマソングを担当。
2016年10月、アメリカ・ポートランドにて現地のミュージシャンを交えての録音を敢行。
同ツアー中、ワシントン・Ocean Shoresで開催された「Galway Bay Celtic Music Feis」に出演。
 

笛屋さんからの推薦コメント


東京を拠点に活躍するティン・ホイッスル/アイリッシュ・フルート奏者豊田 耕三氏がフロントを務めるバンドO'Jizoのデビューアルバムです。
アイルランド音楽の様々なタイプの曲やリズムをギター、ブズーキ、アコーディオン、フィドルによって独自にアレンジし、洗練された演奏を聴かせます。
様々な種類のフルートやホイッスルの活躍も聴きどころ。
 

「Highlight」レビュー


日本人のケルト音楽ユニットO’ Jizo(おじぞう)によるアルバム「High light」は、聴き心地爽やかな、かつ斬新な視点によるアレンジが際立つ名盤であると言えよう。
O’ Jizoが公式にリリースした最初のアルバムだである。ほかには、2010年に「TOKYO IRISH GENERATION」というコンピレーションアルバムにメンバーが参加している。

オフィシャルサイトによれば、このとき参加したフィドルの内藤希花がこの後活動休止となり、メンバーが3人となった。
2017年1月25日に、High lightの次作となるセカンドアルバム、「Via Portland」の発売を公表。
3月にリリースと記念ライブの開催を予定している。

ジャケットはトルコブルーの地に白抜きでタイトルが印字された、シンプルかつモダンなデザイン。
アルバムを聞けば、まさにイメージ通りのサウンドに驚くかもしれない。
また、このアルバムには「読むO’ Jizo」という書下ろし冊子が同封されており、耳から、目からこのバンドの世界観を堪能できる一作となっている。

1曲目は爽やかな出だし。
艶やかなフィドルに始まり、独特のアプローチでフルート、アコーディオンが織りなす新しいアイリッシュ音楽の世界。
曇り空の隙間から眩しい陽が差し込んできた。
思わす目を細めると、次の瞬間には青空のもと躍動感あふれる鳥たちの飛翔。
そんなイメージを彷彿とさせる、まさに”up”のタイトルに相応しい一曲。

1曲目とは対照的にトラディショナルな展開の2曲目。
ブズーキのいぶし銀のような渋い輝きの音色と寄り添い、旋律が徐々に重なってゆく。
合間に挿入されるホイッスルの透き通るようなソロが印象的だ。

1、2曲目がアップテンポのリールだったのに対し、3曲目はゆったりとふくよかな響きのロー・ホイッスルが導入を務める。

続いて滑り込むようなフィドルのテーマ、アコーディオンも加わり、音の厚みが増してゆく。

フルートのまっすぐな響きが心地よい5曲目。
重なってゆくメロディに、ギターが一貫して物悲しいニュアンスを添える。
静謐な情熱はダンスチューンへと受け継がれ、その旋律は延々と続くかのようである。

5曲目めとは一転して賑やかにスタートする6曲目。
各々の楽器が華やかにリールセットを彩る。
まるでアルバム全体の”ハイライト“がこの曲にあてられているかのように、突き抜けて明るい調子で展開されてゆく。
随所の楽器同士の掛け合いもO’ Jizoサウンドとでも言うべきだろうか、非常に独特かつ興味深い発見がある。
何よりも聴いていて耳に心地よい斬新さに高い完成度が感じられる。

これまでとは異なりギターが曲を導く7曲目は、水面にゆらめく日差しの反射をただ眺めているかのような、時間の移ろいの軌跡をひとつひとつ形取るかのような、丁寧なハーモニーの重複が特徴的だ。
これもO’ Jizo独特の切り口で展開されるアイリッシュ音楽である。
「無常観」という表現がされるのだろうか、古来から日本の和歌によく詠まれてきたように、世の中のものがすべて移ろってゆくことのもの悲しさを感じさせる、そんな名曲だ。
奏者の背景と音楽の見事な昇華が見られる作品である。

ロー・ホイッスルの端正な響きが軸となりアルバムを締めくくる9曲目。
ゆったりとした旋律がフィドル、アコーディオンと受け継がれ、ハーモニーが寄りつ戻りつ、打ち寄せる波のように心地よい。

アルバム全体を通して聴けば、バンドの世界観の余韻を十二分に堪能することができるはずだ。
 
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