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ケルトの笛 インタビュー

ジョン・スケルトン(John Skelton)

※ このインタビューは、ホームページ「A Guide to the Irish Flute」より、著作権保有者のBrad Hurley氏の許可を得て日本語翻訳し、公開しています。英語翻訳:村上亮子
 

経歴
 

出典 A Guide to the Irish Flute

アメリカでは、ジョン・スケルトンはThe House Band のメンバーとして最もよく知られているだろう。
このバンドはグリーン・リネットから5枚のアルバムを出している。
またパン・レコード(オランダの代表的アコースティック音楽のレーベル)からはジョンのソロアルバム “One at a Time” が出ている。
北アメリカ、ヨーロッパの主要なフォークフェスティバルで演奏し、20ヶ国以上でコンサートの経験がある。

フルートの教師としても経験が深く、北アメリカ、ヨーロッパ、アフリカのサマースクールで教えている。

ジョンのルーツはアイルランド伝統音楽に根ざしている。
彼の祖父、曽祖父はフルート、ティンホイッスル奏者だった。
ジョンはロンドン生まれで、1970年代には再びロンドンに戻っている。
その頃のロンドンはアイルランド音楽の「黄金期」で、ボビー・ケイシーBobby Casey、ロジャー・シャーロック Roger Sherlock、レイモンド・ローランド Raymond Roland、ダニー・ミーハン Danny Meehanなど多くのミュージシャンが活躍していた。
ジョンが成長期を過ごしたのはこのような偉大なる音楽の「温床」だったのだ。

ジョンは先ずShegui というバンドでプロとしての活動を始め、6年間ヨーロッパでツアーをして回った。
そのバンドにはピアニストでフィドラーのジョン・コークリー John Coakley(後にBoys of the Loughのメンバー) 、フィドルのトミー・マッカシー Tommy MacCarthy(ボストンのアイリッシュ界の重鎮)、ヴォーカルのショーン・キーンSean Keane(アイルランドの有名な歌手ドロレス・キーン Dolores Keane の兄or弟)がいた。

ジョンは1987年にThe House Band に加わり、それ以来このバンドの成功の中心にいる。
彼はこのバンドで世界中をまわり、ステージでは彼の魅力的な紹介とツアーの話題がコンサートの目玉になった。
アメリカのある新聞は彼のことを「イギリスのガリソン・ケイラー(アメリカの俳優)」とまで呼んでいるが、彼は優れてユニークなフルート奏者なのである。

アイルランド音楽のバックグラウンドの他に、ジョンはブルターニュの音楽にも精通している。
ブルターニュで多くの時間を過ごし、ボンバルド(オーボエに似たブルターニュの民族楽器)の卓越した奏者でもある。
NPR(National Public Radio)の番組”Thistle and Shamrock radio show”で「ブルターニュ以外でもっともうまいボンバルド奏者」と言われたこともある。
また、ピストン(ロー・ボンバルド)やveuze(東ブルターニュのバグパイプ)も演奏する。

〈ディスコグラフィー〉

* Rockall / The house Band(グリーン・リネット)- 1996年
* 20th Anniversary / コンピレーション(グリーン・リネット)- 1996年
* Another Setting / The House Band(グリーン・リネット)- 1994年
* The World is a Wonderful Place / コンピレーション(グリーン・リネット)- 1994年
* One at a Time / John Skelton(パンレコード)- 1993年
* Groundwork / The House Band(グリーン・リネット)- 1993年
* Stonetown / The House Band(グリーン・リネット)- 1992年
* World of Mouth / The House Band(グリーン・リネット)- 1989年
* Pacific / The House Band(トピックレコード)- 1987年
* In the Wind / Shegui(ハイウェイレコード)- 1982年
* Around the World for Sport / Shegui(ケルティックミュージック)- 1980年

※左枠:インタビュアー 右枠:ジョン・スケルトン

ミッキー・クローニン Mikey Cronin (フィドラーのパディー・クローニン Paddy Cronin の兄弟)を聞いて、フルートを選んだのだそうですね。
彼のスタイルについて説明してくださいませんか。

土臭くて、リズミカル。
荒削りな音色。
ロンドンでは”dirty playing”(汚い演奏)と呼んだものです。
思い出せる限りで一番似ているのは(25年も前のことです)シェイマス・マクマホーナ Seamus MacMathuna やコーナル・オグラダ Conal O’Grada のスタイルかもしれません。
初めて聞いたのは Sliabh Luachra の中心バリーデズモンドです。
フルートの盛んな地域ではないし、特にその地域のレパートリーではなかったと思いますが、彼は激しく演奏していました。
(余談ですが、もし読者の方でミッキー・クローニンの録音の在り処をご存知の方がおられたら、うれしいです。少し持っていたのですがずっと前になくしてしまいました。)

ロジャー・シャーロック Roger Sherlockとカホル・マコーネル Cathal McConnellの影響もありますね。
彼らの演奏で心惹かれるものは何ですか。

私が最初にロンドンにいた頃、ロジャー・シャーロックは当地で有名なフルート奏者でした。
彼のように演奏しようと努力した、とはとても言えません。
ただ彼の力まない演奏はいつ聞いても心地よいものでした。
そして彼の演奏を1週間に2回、3、4年も聞いていれば、それなりの影響があるでしょう。

私にとって、カホル・マコーネルは優れたフルート奏者の典型のような人です。
彼の演奏を聞くとき、私の耳には「聞いてごらん。
いい曲だよ。」と聞こえてきます。
決して「俺の演奏を聞いてくれ。大したもんだろう?」じゃないのです。
もちろん彼は大した奏者です。
でもそれを感じさせないのです。
ざっくばらんで、彼のことは「大人」の鑑賞に堪える音楽家だと言うべきでしょう。
もっと華々しい演奏家がテクニックで一般の人々を魅了することはあるでしょう。
でもしばらくするとそういった演奏はどれも同じように聞こえてくるのです。
カホルは違います。
彼は音楽を奏でていきます。
感動させるために音楽を使うのではないのです。
もちろん、あの素晴らしい音色もあります。
それからスローエアーの演奏も。(彼が歌手だということは明らかです)

教えている立場から、初心者に何か役に立ちそうなことはありますか。
それからもう少し経験のある人に何かアドバイスはないでしょうか。

練習の方法はよく見逃されてしまうのですが、きちんと整理してみる必要があります。

a) 静かで居心地のいい部屋、出来れば音響のいいところを見つけてください。
練習中は引きこもってください。

b) 練習している曲の音源を手に入れてください。
覚えたい曲を立て続けに数回分テープに録音してください。
そうすればそのつど巻き戻す必要がなくなります。
もちろん、耳で覚えるのです。

c) 毎回、覚えたばかりの前回の曲を繰り返してください。(そっくりそのままに)
毎回目標を定めてください。
たとえば、Bパートを覚えるとか、聞いたばかりのかっこいい変奏とか。
それに集中して、漠然と吹き流すことは避けてください。

d) 曲全体を覚えてください。
あいまいなフレーズがあるうちに、「覚えた」とは言わないでください。
すべての音符が正しい場所に落ち着いたら、リズムも定まってきます。
100曲をまあまあに覚えるより、10曲を完璧に覚えるほうが大事です。

e) あきらめないでください。
やがてうまくできるようになります。
くだらない「ケルティック」らしき音楽を超えてうまく吹けるようになり、上質な伝統的演奏を理解できるようになったら、そうすればたぶんこれから何年も聞いたり演奏したりしていけるでしょう。

レパートリーを築きその音色に近づくための十分な時間があります。
それから…(奇妙に聞こえるでしょうが)、その曲を知らなければ、覚えることは出来ないのです。

覚えたい曲に出会ったら、いきなり飛びついてはいけません。
何度も何度も、何日間も、車の中で、皿洗いでも何でもしながら、聞いてください。
その頃には(少なくとも曲の大部分を)ハミングで歌えるようになっているでしょう。

それからフルートに移し変えるのはかなり容易です。
ある程度経験をつんだ奏者は、自分の音を求めてください。
そうすればあなたの演奏は独自のものになり、他の人の物まねではなくなります。

ブルターニュのジャン-ミッシェル-ヴェイヨン Jean-Michel Veillonを聞くことをお勧めします。
彼は今日のシンプルシステムのトップを行く存在だと思います。
全体的に明快で、リズミカルで斬新です。

もちろん、彼がしていることすべてがアイリッシュの枠組みに入るとは限りません。
しかし、彼は自分自身の演奏について考える契機を与えてくれるでしょう。

あなたが作ってソロCDに入れたリールThe Road to Buggleskelly は素晴らしい曲ですね。
この曲を作ったときのことを聞かせてください。

自分ではあまり曲を作りませんが、作った曲は普通自宅のキッチンで演奏して、他ではやらないのです。
でも気に入ってもらえてうれしいです。
幾つかやり方があると思います。
(他の人も同じようなものでしょう)

a) 実際にある曲を取り上げて色々とやってみる。
たとえばGのリールをDで吹いてみる。
(この場合はフルートの音域に合うように調整しなければならない)次にジグのように演奏してみる(さらに調整が必要)。
すると新しい曲、少なくとも1つか2つの新しいフレーズができます。
(試しに”The Salamanca Reelを6/8で演奏してみてください。立派なジグになります。)

b) 新しいフレーズが出来て、そこから曲を組み立てる。

c) 好きな曲を繰り返し吹いて、それから別の曲に行く代わりに、あなたの頭に浮かぶままに吹いてみる。
そうやって新しい曲の頭の部分が出来るものです。
これがポイントです。
いつも小さなレコーダーを身近においてください。
そうしないと、たった今浮かんできた素晴らしいフレーズは永久に消えてなくなってしまいます。
私は小型カセットを使った口述用のものを使っています。
メモ帳代わりです。

“The Road to Buggleskelly” について言えば、勝手にできた他の曲(たいていは適当に遊んで、すぐに思いつきで作った曲なので満足できず、結局は元のメロディにもどってしまう)とは異なり、時間がかかりました。
Bパートは数年前に先に書いてありました。
それからAパートを書いたのです。
Aパートには満足していませんでした。
それで、それをやめて、何ヶ月か後にもう一度やり直したのです。
伴奏者に「難しい」曲として書きました。

最近の曲について言うと、ヴィンセント・ブロドリックVincent Broderickのフルートの曲集がアイルランドで発行されたそうですね。
どこで買えるかご存知ですか。

合衆国のことはよくわかりません。
ミシガン州ランシングのElderly Instruments か、メリーランド州タコマパークの The House of Musical Tradition で手に入るのではないでしょうか。

詳細は
書名  The Turoe Stone
著者 Vincent Broderick
発行  Walton Music  (Dublin)

Walton のアメリカの連絡先は
Walton Music Inc. P.O.Box 1505, Westfield MA 01086

“The Turoe Stone” というテープもあって、Comhaltasが出しています。
※現在は日本でも入手可能。
The Turoe Stone Collection by Vincent Broderickで検索ください。

あなたのソロCDが欲しい読者のために、配給会社の名前と住所を教えてください。

“Elderly Instruments” とか ノースカロライナ州シャーロットの“ The Celtic Trader” といった専門の業者を通したら簡単だと思います。
パンレコード、オランダのレーベルです。

CDのジャケットであなたが持っている8キーのフルートはクリス・ウィルクスChris Wilkesのプラテンのレプリカのようですが…(キーはウィルクスのように見えますが、たぶんブージーかプラテン?)そして後ろにあるほかのフルートはルーダルのようで…あなたはどうかわかりませんが、フルートを持ち替えるのは厄介だと思うのです。
その点で何かアドバイスがあれば、特にルーダル&ローズで、どうすればきれいで力強い低いDが出せるか教えていただければ、とても助けになります。

目がいいですね。
これはホークスのD管です。
たぶんプラテンが作っただろうと教えられました。
(そして私もコークのパブでのある夜の博学な会話で、この説を広めました)ホークスは後にブージーと一緒になって、Boosy&Hawkes を作り、プラテンはどちらの会社にもかかわりがありました。
自分では初期のPratten’s Perfected だと思いたいのですが。
とても軽いのです。
パトリック・オーウェル Patrick Olwellが気に入って、何年か前に寸法を取りました。
彼が自分のフルートを設計したとき、その一部を利用したと思います。
というのもオーウェルのフルートを手に取ったとき、不思議な感じがしたのです。
まるで自分のフルートを手にしているような感じでした。

私は古いルーダル&ローズを持っていますが、あまりいいものではありません。
前にも言ったように、このホークスを長い間吹いているので、別の笛で、すぐにいい音を出すのは難しいことです。
ですから、簡単に持ち替えたりはしません。
ずっと同じ笛です。
ルーダル&ローズで最低音のDをしっかりと出すのはどうすればいいか、 申し訳ないのですが私もよくわかりません。
意図した以上の大きな音をフルートに無理やり出させる ということではない限り。
しかしそうすると、その結果低いほうの幾つかの音はぺらぺらの(魅力的ではない音色に)なってしまいます。

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