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ケルトの笛奏者の紹介

Joanie Madden
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Joanie Madden

バイオグラフィー   

 
ジョーニー・マッデンは1965年生まれのニューヨークはブロンクス出身のアイルランド系移民で、フルートとティン・ホイッスルの奏者です。

ジョーニーは七人兄弟の上から二番目で、母はクレアのセットダンスの名手、父のジョーはアコーディオンの名手と、幼少期から音楽に囲まれた環境で育ちました。

父や、父の友達の演奏、一日中かかっていたレコードを聴き、アイルランド音楽になじみ深かったジョーニーは、フィドルや、ピアノを習いますが、どちらも好きになれず続けることはありませんでした。

しかし友達のメアリーがきっかけで、ティン・ホイッスルの形や音色に強く惹かれ、近所に住んでいたNational Heritage Award の勝者であるジャック・コーエンJack Coenに13歳の頃からレッスンを受け始めました。

それから何度もオール・アイルランド・コンペティションに参加し、18歳(1983年)のとき、父のバンドにクラスメイトのEileen Iversと共に参加します。
そこでジョーニーは音楽家の夢である、All-Ireland Championshipをフルートと、ティン・ホイッスルで獲得します。
ティン・ホイッスルでの受賞者はアメリカ人初で、しかも受賞した年齢が父と同じだったため、とても喜ばれたそうです。

翌年の1984年、ジョーニーは成人の部でもAll-Ireland Championshipをティン・ホイッスルで受賞します。

そのすぐ後に、音楽家で民俗学者でもあるミック・モロニー(Mick Moloney)から電話がありました。

アイリッシュ音楽界の女性ミュージシャンに光を当てるべくニューヨークの民族芸術センターと合同でコンサートを計画していて、それにアメリカの女性トップミュージシャンを起用しようというのです。

ジョーニーは演奏やMCを快く引き受け、コンサートは大成功を収めます。

このシリーズ、チェリッシュ・ザ・レディース(Cherish the Ladies)ではアメリカ中の様々な女性を取り上げたアルバムが制作され、1985年、民族音楽のベストアルバムとして国立図書館に選ばれ、その後1987年5月にツアーを行い、正式にチェリッシュ・ザ・レディースという同じ名でバンドが結成されました。
ジョーニーは結成当初からリーダーを務め、2014年現在、結成28年目となります。

彼女はこれまで多くの賞を受賞しました。
中には、アイルランド系アメリカ人ミュージシャンの表彰と彼女の父も受けたthe Comhaltas Ceoltoiriの表彰の両方で最年少での殿堂入りを果たしたことや、ワイルド・ギース賞受賞や、アメリカにおけるアイルランド文化の普及と保存に大きく貢献したことで、トップ100アイルランド系アメリカ人に選ばれたことなどが含まれます。

2010年、ジョーニーは出身地であるブロンクスにある通りが彼女にちなんで"Joanie Madden and Cherish the Ladies" と名付けられたことにより、永遠に人々の記憶に残ることになりました。

また、2011年にはアメリカに貢献した人々に送られる “Ellis Island Medal of Honor”に選出されましたが、それは6人の大統領や大使、国会議員、最高裁判所らが受賞した栄誉あるものでした。

ジョーニーはスタジオミュージシャンとして現在も活躍しており、これまでに100を超えるアルバムにも参加しています。

ジョーニーはグラミー賞を受賞した3つのアルバムで演奏しており、100万枚以上の売り上げを記録した、Hearts of Space labels Celtic Twilightにも参加しています。

彼女には作曲の才能もあり、作品の多くは伝統音楽に傾倒する多くの人にセッションでの定番曲として広く知られ、何人かのミュージシャンによってレコーディングもされてきました。

彼女は社交的な人柄とステージでの振る舞いでも愛され、チェリッシュ・ザ・レディースの女性リーダーとしての役割は世界中の批評家から先駆的であると評されてきました。

彼女は3枚のソロアルバム、チェリッシュ・ザ・レディースとして15枚、その他にPride of New Yorkとのアルバム、彼女の父ジョーとのデュオアルバムなどを制作し、彼女のアルバムは世界中で合計50万枚以上のセールスを記録しています。
 

演奏スタイルや音楽性について   

  ジョーニーはフルートと、様々なホイッスルを演奏します。
フルートでアイリッシュを演奏する多くの人はシンプルな構造の木で出来たアイリッシュ・フルートを使用しますが、ジョーニーが使用しているフルートはキーがたくさん付いたコンサートフルートで、日本のミヤザワが製作したものです。

これはオーケストラなどで広く使用されているフルートで、アイリッシュを演奏する際、特有の装飾がやりにくい、不可能だ、などと言われてきた楽器です。
しかしジョーニーはこの常識を見事に覆し、アイリッシュ・フルート界に一筋の光を差し込みました。
彼女の音色は明るくのびやかで、どこまでも心地よい響きが続いていくようです。

音楽性としては父の影響から、東ゴールウェイの演奏スタイルやレパートリーを得意とし、パディ・カーティPaddy Cartyのレパートリーを多く受け継いでいます。
一方でティン・ホイッスルについてはメアリー・バーギンMary Birginからの影響を自認しており、ダンス曲においてはピュアでリズミカルであり、整った装飾音を使ったなめらかな演奏を、またスロー・エアーなどのゆったりとした曲では抒情的な美しい演奏を得意とし、多くのプレイヤーにインスピレーションを与えました。

チーフタンズのマット・モロイ(Matt Molloy)やジェームズ・ゴールウェイ(James Galway)はジョーニーを“今日のアイリッシュ音楽界で最高のフルート奏者”と評しています。
 

おすすめアルバム   


Song of The Irish Whistle
 
1. The Immigrant
ジョーニーの両親はアイルランドで生まれ、アメリカに移民としてやってきた。この曲はそんな故郷を懐かしむように、アイルランドの情景を思い浮かべながら演奏しているジョーニーの姿が目に浮かぶ。目を閉じてゆっくりと深呼吸しながら聴いてみてほしい。

2. Down by the Salley Gardens
有名なアイルランド民謡のサリーガーデンは聴いたことがあるという方も多いだろう。“Salley”とはアイルランド語で“柳の木”のことで、元の民謡には柳の木の下で始まる男女の甘酸っぱい関係をうたった詩がつけられている。

3. The Otter’s Nest-Richie Dwyer’s
この曲でジョーニーは様々な音を出している。かすれたような音も、ポンポンという打楽器のような音もすべてホイッスルで出した音だと言う。ホイッスルの新たな可能性やユーモアを感じさせる非常に面白いトラックだ。

4. The Level Plain [Magh Seola]
John Boswelの美しいピアノのメロディーにのせて奏でられるジョーニーのフルートは最初の音だけで涙が出るほど美しい。何かにつまずいたとき、前へ進めなくなったときにこの曲を聴いたら心が少し晴れてもう一度立ち上がれそうだ。

5. Loftus Jones
フィドルを弾いているのは、ジョーニーの元クラスメイトのEileen Ivers。二人が楽器を使って遊んでいるような、おしゃべりをしているような、とても楽しい曲だ。思わず心もからだも踊りだしてしまうだろう。

6. Women of Ireland [Mna Na H’eireann]
初めてこの曲を聴いたとき、広い大地に広い空、その大地をしっかりと踏みしめて長い髪をなびかせながら歩いていく強い女性の姿が目に浮かんだ。アイルランドの女性というタイトルがぴったりだ。

7. The Legacy Jig-Tar Road to Sligo
スライゴー(Sligo)とはアイルランド北部の中心的な町で、サリーガーデンの詩を編集したウィリアム・バトラー・イエーツが子供時代を過ごした場所でもある。いろいろな音色の打楽器や手拍子にのせてJerry O’sullivanのパイプとジョーニーのティン・ホイッスルでジグが演奏され、アイリッシュらしさと共に異国情緒も感じる楽しいトラックだ。

8. The Black Rose [Roisin Dubh]
私はこの曲が12曲の中で一番好きだ。感情が溢れ、それが素直に音となって心に染み渡っていく感じがたまらない。説明するより、まずは聴いてみてほしい素晴らしいトラックだ。

9. The Mountain of Women [Sliabh Na Mban]
それぞれの楽器の音が甘くとろけ合って目がまどろみ始め、今にも夢の世界に行ってしまいそうだ。この曲を聞き終わる頃には幸せな夢を見始めていることだろう。

10. Flight of the Wild Geese
最初の残響が残るフルートの音は雁の鳴く声だろう。どこまでも続く高い空を雁が悠々と飛んでいる。どこからか風に乗って仲間の鳴く声が聞こえ、今度は二匹で共にシンクロしながら空を飛ぶ。やがて雁は地平線の向こうに去っていった。

11. The South Wind
私はジョーニーの演奏から風を感じることが多いが、この曲も同様に風を感じる曲だ。とてもシンプルだが、とても美しく生命感にあふれている。この曲をこんなに美しく、つややかに演奏することが出来るのはジョーニーくらいではないか。

12. Lord Mayo
多くのミュージシャンによって演奏されているPolkaである。パーカッションやギターも加わり、とてもセンスのいいアレンジとなっている。特に中盤のジョーニーのソロは、高い山から景色を見渡しているような開放感にあふれていて最高だ。
 

ディスコグラフィー   


●Song Of The Irish Whistle by Joanie Madden
●A Whistle On The Wind by Joanie Madden
●Song Of The Irish Whistle 2 by Joanie Madden

●Pride Of New York
by Joanie Madden, Brian Conway, Billy McComiskey & Brendan Dolan

●Irish Women Musicians Of America by Cherish The Ladies
●One And All: The Best Of Cherish The Ladies by Cherish The Ladies
●At Home by Cherish The Ladies
●Cherish The Ladies-Live by Cherish The Ladies
●New Day Dawning by Cherish The Ladies
●Threads Of Time by Cherish The Ladies
●The Girls Won’t Leave The Boys Alone by Cherish The Ladies
●Out And About by Cherish The Ladies
●The Back Door by Cherish The Ladies
●Across The Waves by Cherish The Ladies
●Cherish The Ladies by Peg McGrath, Kathleen Smyth, Mary Mulholland
●Woman Of The House by Cherish The Ladies
●On Christmas Night by Cherish The Ladies
ほか
 

公式ホームページや情報など


Cherish the Ladiesホームページ
三浦郁実さん 著
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