そんなアーサーの玉座から遠くないところに、ホテルの大家さんに教えてもらった伝統音楽が聴ける評判のパブがあったので、セッションを聴きにいざ出陣!
北に向かおうとしてたのに、慣れない運動のあとで疲れすぎて、ぼんやりしてたのか、間違って南に行きのバスに、それもしばらく乗ってしまい、「あれ、見たことない郊外にやってきたぞ」と慌てて乗り直します。(こーゆー時は一日乗車券でよかったと思いますね)
郊外に行っても、石造りの中世風の建物群はまったく変わらず、よく「一区画だけ当時の面影を残してます」みたいな観光地もありますが、エディンバラはガチ中世の町なんだと強く感じました。
まったくお酒を飲まない店長ですが、エディンバラのパブに来て、オレンジジュースをチューチュー吸ってるわけにもいかないので、思い切ってスコッチウィスキーを注文。
銘柄とか全然わからなかったんで、店員さんにあれこれ相談して、「ちょっとスモーキーなやつ」をもらいました。 元のスモーキーじゃないやつを知らないので、どれぐらいスモーキーなのかまったくわかりませんが、なんだか口の中を消毒してる感じ。(でもすごいいい匂い)
超混雑している店の奥へ進んでいくと、フィドルを持ったおじさまがいたので、声をかけてその近くに座らせてもらいました。
そのおじさまは生粋のフィドル弾きで、「21歳の時にお金を貯めて初めて楽器を買ってから、今まで半世紀ぐらいフィドルを弾いてるけど、この楽器が好きだたまらないんだ!」と熱く語ってくれて、すごく感動しました。
スコットランド音楽っていうと、個人的にはピアノとフィドル、のような「アイリッシュより少しクラシック寄り、ジャズ方面行き」みたいな印象があります。
ピアノ兼ギター兼歌手のお姉さんとのセッションからはじまり、フィドル、ハープ、アコーディオン、バンジョーなどが加わっていきます。
ここで、すごく驚いたことは、伝統音楽に混じって、ジャズ系のセッションが多かったことです。
その瞬間だけを聴いたら、「お、ここはジャズ・バーだな」と思うようなジャズ曲を聴いて、スコティッシュがアイリッシュと全然違う音楽ジャンルなんだと、なんとなく感じました。
さて、そんなセッションが続く中、フィドルを愛してやまないおじさまフィドラー、ずっとウッドベースを弾いていますよね?
なんだかすごいいいフリからの小ボケをいただいた感じで、笑ってしまいましたが、すごく楽しそうにベースを弾く姿に、スコティッシュの自由な気風を感じました。
夜が更けるにつれ徐々にトラッドセッションになっていきましたが、やっぱり意識がジャズの方に向いているからか、音程の取り方とか、和音の構成が、雑味が少なくてキレイ系というか、整って洗練されている、そんな印象です。