【エピソード30前編】アイリッシュ・ミュージック・ストリーズ

画像出典 Irish Music Stories

アメリカのアイリッシュ・フルート奏者シャノン・ヒートン(Shannon Heaton)さんが月1回ペースで無料で配信しているポッドキャスト、アイリッシュ・ミュージック・ストリーズ。

その中から、hataoさんや中藤有花さん、中村大史さん、須貝知世さん達が出演した「エピソード30」の日本語訳を前後篇の2回に分けてお届けします。

後編はこちら
https://celtnofue.com/blog/archives/5293

翻訳:村上亮子

エピソード30前編(日本語訳)

シャノン・ヒートンのポッドキャスト、アイリッシュ・ミュージック・ストリーズです。
http://www.IrishMusicStories.org

“グリニッジ標準時+9時間”

東京に流れるアイルランド時間

こちらはシャノン・ヒートン。

アイリッシュ・ミュージック・ストーリーズです。

伝統音楽とその背後にあるもっと大きな物語をお届けします。

例えば、日本のアイリッシュ音楽が過去20年の間に爆発的に広がってきたことを、フルート奏者のhataoはどう見てきたかとか…

hatao:僕がフルートを始めた頃、アイリッシュ音楽をする人は、ほとんどいませんでした。でも今では日本中に何百人もの演奏家がいるし、日本中の大きな都市では毎晩セッションが行われています。

曲:“Feed the Duck a Mandarine,” 求道会館でのライブから
アーティスト:ジョン・ジョン・フェスティバル

日本にはアイリッシュやスコティッシュなどのケルト音楽をする音楽家が大勢います。

ここにいるフィドルの大久保真奈や中藤有花のような人達です。

中藤有花:アイリッシュ音楽が大好きです。音楽だけじゃなくて、みんなフレンドリーだし、食べ物も飲み物もおいしいし。

有花は東京に住んでいます。

彼女のバンド、トリコロールは、アイリッシュや他のケルトの伝統の背後には音楽以上のものがあると気付いています。

彼女の夫でギタリストの長尾晃司と友達でアコーディオンを弾く中村大史は、伝統文化が持つ音楽以外の要素を高く評価しています。

そのことはよくわかります。

トリコロールのメンバーと一緒に、東京、高崎、川口、甲府、名古屋、伊勢、京都へと旅をしましたから。

また、フルート奏者のhatao、須貝知世、豊田耕三にも会いました。

コンサティーナ奏者の近藤美奈子にも。

また日本の伝統音楽シーンでの経験について、イリアンパイプスのジョーイ・アバータやブズーキのエーラン・ジョーンズとも意見を交わしました。

私の目的はなぜ、どのように、アイリッシュ音楽が日本人の心をつかんでいるのかを知ることです。

そしてケーキに灯された3本のローソクの話をすること。

そして彼らが長年の友情、協力、つながりをどう要約するか、お話しすることです。

***

日本のアイリッシュ音楽についてのお話に入る前に、息子のナイジェルと私はスポンサーにお礼を申し上げたいと思います。

ジェリー・コウ、クリス・マクグロン、サリー・タッカー、ジェレミー・キース、デイヴィッド・ヴァン、クリス・マーフィー、ブライアン・ベンスコター、ジョー・ギャレットの皆さん。

ありがとうございました。

今月寄付をしてくださって、この番組を作る力になっていただいた方々です。

これからの番組をサポートしていただくには、アイリッシュ・ミュージック・ストーリーズのウェブサイトから、寄付をお願いします。

***

さあ始めましょう。

日出ずる国に…アイリッシュの伝統を求めて…。

曲:キネン(kine) より “Lorient”
アーティスト:トリコロール

これはトリコロールの最新アルバムの最初の曲です。

日本語の発音では…
(hataoと有花が日本語風にトリコロールと発音する。)

このバンドは(ある意味適当に)この名前をフランス語のTricoloreから取りました。

フランス国旗のイメージが日本ではカッコいいからです。

しかしまた、この3人のミュージシャンがユニークなスタイルと色彩を持っているからでもあります。

フィドル、アコーディオン、ギター。

青、白、赤…フランス国旗のようです。

あるいはより原色の「赤、黄、青」。

これは私がこのバンドのために書いた曲のタイトルでもあります。

トリコロールは10年にわたってアイルランド伝統音楽やアイリッシュに基づいたオリジナル曲を演奏してきました。

1970年代のフォークブームの時代に、日本にも伝統音楽を演奏する人々が出始めましたが、フィドル奏者中藤有花、夫でギタリストの長野晃司、友人のアコーディオン奏者中村大史は、今日日本のアイリッシュ、ケルト音楽への興味をさらに燃え立たせている音楽家たちのうねりの中にいます。

どこで演奏しても、音楽を愛する人々、それに仲間のミュージシャンたちが彼らを取り囲んでいます。

先月のCD発売ツアーで、私は彼らと一緒に演奏しました。

どのライブも特別な物でした。

本当に素晴らしいものでした。

しかし彼らの地元のsenkiyaでのライブは秀逸でした。

曲:“D Big Build”、アイリッシュ・ミュージック・ストーリーズのためのオリジナルBGM
アーティスト:マット・ヒートン(ギター)

そうなのです。

会場のオーナーのヒデさん(愉快な方です)が、ライブが終わった時にケーキをプレゼントしてくれたのです。

アンコールの後、彼は観客に椅子を片付けるように頼みました。

そしてこのケーキを運んできたのです。

ケーキには赤、黄色、青の3本のローソクに火が灯っていました。

みんな歓声を上げました。

私たちはもう一曲演奏しました。

盛大なダンスパーティーになりました。

素晴らしい夜でした。

このライブが終わってしまうのは残念なことでした。

終わったら、何時間もかけて作った舞台装飾を、ヒデさんの友達が取り壊してしまうことがわかっていたからです。

この舞台装飾というのは高さ3m、幅5mのもので、おとぎ舎のご夫妻が作ってくれた風景です。

ご夫妻はデザインの会社を経営していて、ステージなどのイベントのために、自然のものを使った装飾を専門としています。

でも、この舞台装飾は仕事で作ったのではありません。

おふたりはこのバンドの大ファンで、この会場のオーナーのヒデさんに、トリコロールのライブのために何か作れないか相談していたのです。

木を立て、シダ、桜の枝、竹、旗、ランタンで飾りました。

シャノン:時間がかかったでしょうね。

中村大史:ええ、そう思います。前の晩から準備していたようです。

シャノン:本当にきれいでした。それなのに演奏の後には取り壊してしまったのですね。

大史:ははは。たった30分でした。

シャノン:あの作品を取り壊してしてしまうのに…。

大史:あっと言う間ですね。

これはアコーディオン奏者の大史です。

ライブの後、舞台背景が取り外され、彼は車に荷物を載せました。

私たちは大史の奥さん、詩織さんが用意してくれたお料理を食べ終えてしまいました。

トリコロールの10周年、会場の10周年を記念した100人近いゲストのための豪華な10品の料理でした。

鮮やかな、キャンドルを灯したお祝いでした。

ケーキを食べている間に、飾りの枝の最後のものを載せて、おとぎ舎のバンは出ていきました。

残っていた観客も帰っていきました。

全てが終わりました。

でも本当は終わったわけではありません。

このライブに集まった人たちの多くは、また出会うことになるのです。

このライブや他のトリコロールのライブを聞きに来る人の多くは自分でもアイリッシュ音楽を演奏します。

甲府でのライブで何曲か一緒に演奏した須貝知世もその1人です。

彼女はリムリック大学で1年間アイリッシュ音楽の勉強をしていました。

須貝知世:須貝知世です。アイリッシュフルートを吹いています。

シャノン:リムリックで勉強したのですね。

知世:はい、リムリックで、リムリック大学で1年間勉強しました。

シャノン:どうしてアイリッシュ音楽を始めたのですか。

知世:アイルランドという国が好きになったからです。それで、この国をもっとよく知るために音楽を始めました。

知世は交換学生で、英語を学びリムリックでホームステイしていました。

それからフルートに夢中になりました。

アイルランドの何が彼女の心を惹いたのでしょうか。

知世:何かが私の心をつかんだのです。何故だかわかりません。でも何かが…運命だったのかもしれません。

シャノン:ええ。運命でした。そして今日一緒に演奏するのも運命だと思います。一緒に演奏するのが待ちきれません。

知世:私もです。

知世とのライブでは、観客は畳の床に座りました。

もちろん、みんな日本語を話しています。

それにも関わらず、すべてはアイリッシュの伝統に根ざしていました。

曲もリズムも。

すべてがアイリッシュだったのです。

曲:“Bluebells are Blooming”、 Thousands of Flowersより
アーティスト:須貝知世

そのうえ、現代的な意味でのバンドでもありました。

アイルランドやスコットランド、アメリカ等の多くのバンドと同じように、トリコロールにはこのバンドとしての音があります。

彼ら自身のオリジナル曲をたくさん書いて、グルーヴとリフを加えています。

生き生きしたハーモニーを持っています。

彼らのアレンジは変化に富み、引き付ける力があるのです。

日本的なところはありません。

トリコロールは私にも馴染みのある、現代的で、商業的なケルティックバンドです。

遠く離れた日本の伝統音楽の演奏家に対して、私がとまどいを持っていたとしても、それは急速に消えていきました。

そしていい音楽、素晴らしい仲間、おいしい料理と…お祝いのケーキの心地よい喜びに変わっていきました。

ケーキと素晴らしい舞台装飾のあるこのライブには7年の物語があります。

(有花が日本語で語り始める)

始まりは有花が私にメールを送ってくれたことでした。

彼女は自分のバンド、トリコロールのことを話し、新しいアルバムを作っていると言いました。

3枚目のアルバムです。

そして私の曲、“Anniversary Reel”をレコーディングしたいと言いました。

2012年のことです。

それ以来交流を続けています。

それから、トリコロールの10周年を記念して曲を書いてくれないかと有花が頼んできました。

私は“Red Yellow Blue’を書きました。

彼ら3人、有花、晃司、大史を考えてのことです。

それぞれが強烈な個性を持っています。

それらが混ざると、様々な色合いとムードがでてきます。

有花はContrail(飛行機雲)という曲を書きました。

青い空と、風の中を飛んでいる色鮮やかな3つの紙飛行機をイメージしたのです。

私たちは離れた土地でレコーディングをしました。

このプロセスがまた良くて、トリコロールの10周年ツアーのために今度は直接顔を合わせてやりたいと思いました。

遠く離れた共同作業と友情を、遠距離の夢から現実の世界に戻そうとしたのです。

私は日本語の言いまわしを少し覚えて、聖書と機内で使うマスクを旅行鞄に詰め込みました。

そして20時間後、仲間とリハーサル室に座り、ライブのセットを吹いていました。

私の経験がそこで終わっていたとしても、それでも十分楽しかっただろうと思います。

しかしそれに続いて日本中をコンサートして回ることになったのです。

一緒に旅行して、一緒にご飯を食べて、一緒にセッションしました。

フクロウカフェへも行きました。(気味の悪いフクロウが私を好きになったのか、頭の上を飛び回りました。不気味でした。)

しかし私を好きになったこのフクロウを除けば、みんな優しくて、会話は英語でしてくれました。

曲:アイリッシュ・ミュージック・ストーリーズのためのオリジナルBGM、“Slip Jig Dreams”
アーティスト:マット・ヒートン

シャノン:英語で話してくれてありがとうございます。私が日本語を話せませんので。でも実は、私たちは言葉を話す必要がなかったのです。

有花:私は英語が得意ではありません。でもシャノンと私は一緒に音楽をすることができます。素晴らしいことです。

シャノン:ええ、素晴らしい…

曲:Guitarscapeより、”Aghaidh Jhanuis”
アーティスト:中村大史

中藤有花は、言葉が通じない時に人とつながるにはどうすればいいか、わかっています。

異文化の中にいるとはどういうものか、彼女にはわかっているのです。

10代の頃にアイルランドに行ったことがあるからです。

有花:子供の頃、アイルランドに行きました。英語は話せませんでした。でもアイリッシュのセッションに行きました。みんな「よく来たね。セッションに入って!」と言ってくれました。それで私はアイルランドの人と一緒にアイルランドの音楽を演奏しました。素晴らしいことでした。

由香をアイルランドに向かわせたのは―そしてアイリッシュ音楽に引き合わせたのは―アイリッシュバンドのアルタンを聞いたことでした。

家族の友達がアルタンの初来日ツアーのチケットをくれたのです。

それで彼女は魅了されてしまいました。

曲:Harvest Stormより“Mill Na Máidí”
アーティスト:アルタン

有花:それまでアイリッシュ音楽を聞いたことがありませんでした。それですっかり興奮してしまいました。自分でもこの音楽を演奏してみたいと思いました。

アルタンを聞いてから、有花はダブリンにあるウォルトン音楽学校に1ヵ月行きました。

そこで彼女はフィドル奏者のブレンダン・オサリヴァンに出会いました。

彼は有花にコツを示して、リズミカルな「ノリ」について教えてくれました。

有花:アイリッシュ音楽と日本の古い民謡は同じようなメロディーです。カウントは1234です。でも、日本には…

シャノン:アップビートがない?

有花:そうです。チ・チ・チ・チ

ブレダンは有花にリズミカルに演奏する方法を教えてくました。

そして有花はダブリンで受け入れられていると感じました。

有花がアイルランドで受け入れられたのと同じように、彼女は私に日本への扉を開いてくれたのです。

シャノン:日本に受け入れてくれてありがとう。

光栄だし、うれしいです。

有花:はい。私もうれしいです。私にとって夢だったのです。

シャノン:私にとってもです。

有花:ありがとうございます。

***

お聞きいただきありがとうございます。

息子のナイジェルからのメッセージです。

この番組を作るのに多くの時間がかかり、広く旅をします。

ご寄付をいただけるのでしたら、ネットでIrishMusicStories.orgを開いてください。

金額は問いません。

よろしくお願いします。

エピソード30前編(英文)

From Shannon Heaton’s Irish Music Stories Podcast http://www.IrishMusicStories.org

Episode 30-GMT Plus Nine Keeping Irish time in Tokyo

I’m Shannon Heaton. And this is Irish Music Stories, the show about traditional music, and the bigger stories behind it…

…Like how flute player Hatao has watched the Irish scene in Japan explode over the last two decades:

Hatao) When I started playing, the community was very small. But nowadays there are hundreds of players all over Japan, and sessions every night in major cities in Japan.

Tune: “Feed the Duck a Mandarine,” from Live at 求道会館
Artist: John John Festival

Japan is home to lots of great Irish, Scottish, and Celtic musicians. Like Mana Okubo here on fiddle. And like Yuka Nakafuji.

Yuka Nakafuji) I love Irish music, because it’s not only music. So friendly. Good food, and drink.

Yuka lives in Tokyo. And she and her band tricolor have picked up on the fact that there’s a lot more than music behind Irish and other Celtic traditions. And her guitarist husband Koji Nagao and accordion-playing friend Hirofumi Nakamura all value those extra non-musical elements of trad culture.

I know they really do, because I travelled with them all around Tokyo, Takasaki, Kawaguchi, Kofu, Nagoya, Ise, and Kyoto. I also met up with flute players Hatao, Tomoyo Sugai, and Kozo Toyota. And concertina player Minako Kondo. And I checked in with uillleann piper Joey Abarta and bouzouki player Aaron Jones about their experiences with the trad scene in Japan.

My goals are to learn why and how Irish music has struck a chord in Japan. And to tell you the story of three candles on a cake. And how they summed up years of friendship, collaboration, and community.

* * * *

Before I tuck into this show about Irish music in Japan, my son Nigel and I want to thank our sponsors:

THANK YOU to Gerry Corr, Chris McGlone, Sally Tucker, Jeremy Keith, David Vaughan, Chris Murphy, Brian Benscoter, and Joe Garrett.

Thank you for donating this month, and helping me build the show. To support future editions, please head to IrishMusicStories.org. And thank you.

* * * *

So here we go, an Irish Music Stories exploration of the Irish tradition … in the Land of the Rising Sun.

Tune: “Lorient,” from キネン (kine)
Artist: tricolor

This is the first track off of the newest album by tricolor. Or as they say in Japan Hatao & Yuka pronounce tricolor

The band (sort of randomly) took its name from the French word, Tricolore. Mostly because the image of the French flag is hip in Japan.

But also, each of these musicians has a unique style and color: Fiddle, accordion, and guitar. Blue, White, and Red…. like the French flag.

Or, to be more primary color about things, maybe “Red Yellow Blue.” That’s the name of the tune that I wrote for the band. More on that in a bit.

tricolor has been playing traditional and original Irish music together for a decade. And while some Japanese people started playing trad music during the folk boom of the 1970s, fiddle player Yuka Nakafuji with her guitarist husband Koji Nagao and accordionplaying friend Hirofumi Nakamura are part of a wave of musicians who are helping to ignite even more interest in Irish and Celtic music in Japan today.

Wherever they play, a community of music lovers AND fellow musicians surrounds them.

For their album release tour last month, I had the pleasure and privilege of performing with them. All the gigs were special events. Really, really great. But their hometown show at Senkiya took the cake.

Tune: “D Big Build,” from Production Music Made for Irish Music Stories
Artist: Matt Heaton (guitar)

Literally.

Because Hide who owns the venue (and who is hilarious) presented us with a cake at the end of the show.

He asked the audience to clear their chairs after the encore. And then he brought out
this cake with three lit candles: one red, one yellow, one blue. And he whipped everybody back up into a frenzy. We played one more tune. There was a big dance party. It was great.

And I didn’t want it to end! Because I knew once we’d finished, Hide’s friends would tear down the stage backdrop they had spent hours building.

And when I say ‘backdrop,’ I mean a 10-foot high, 16-foot wide set design. A living landscape. Built by the husband-and-wife team Otogisha. Now, this is a professional design firm that specializes in organic-style decorations for stages and other special events. But this one was personal: they’re big fans of the band. And they had asked Hide at the venue if they could make something special for the tricolor show.

They built a tree. Adorned it with ferns, cherry tree branches, bamboo, flags, and lanterns…

Shannon) So It must have taken them a long time

Hirofumi Nakamura) Yes I think so. I heard they prepared from the night before.

Shannon) It was absolutely beautiful And after our performance, they took it all down.

Hirofumi) Haha! Yes. It took maybe only a half hour

Shannon) To take down all that work.

Hirofumi) Very quickly.

That’s Hirofumi, the accordion player. After the show, he loaded the van while the backdrop came down. And while we finished off the last of the food that Hiro’s wife Shiori had prepared: a gourmet 10 dish meal for nearly 100 guests, in honor of tricolor’s 10th anniversary, and the venue’s 10th anniversary.

It was a colorful, candle-topped celebration.

And while we ate the cake, the Otogisha van, with the last of the backdrop foliage, drove away. The last audience members dissipated. And it was over.

But it wasn’t really over. Because many people at this show will meet again. Many of the people in that audience, and at other tricolor shows, are Irish musicians. Like Tomoyo Sugai who joined us for a few tunes during our set in Kofu. She did a year of Irish music studies at the University of Limerick:

Tomoyo Sugai) Hi, My name is Tomoyo Sugai. I play the Irish flute.

Shannon) And you studied in Limerick?

Tomoyo) I used to study in Limerick, at the University of Limerick for a year

Shannon) And why did you start to play Irish music?

Tomoyo) Because I fell in love with the country, Ireland itself. And then I started the music to get to know the country more.

Tomoyo was an exchange student in Ireland, learning English and living with a family in Limerick, before she got serious about the flute. I wondered what it was about the country that first appealed to her:

Tomoyo) Something attracts me. I don’t know why. But something attracted me. Maybe it was destiny

Shannon) YES, it was destiny. And I think it’s our destiny today to play together. I can’t wait to play our tune together!

Tomoyo) Me, too.

For the show with Tomoyo, the audience sat on tatami mats on the floor. Of course, everybody was speaking Japanese. And still, the whole thing was very rooted in the Irish tradition. The tunes, the rhythms. It was all IRISH.

Tune: “Bluebells are Blooming,” from Thousands of Flowers
Artist: Tomoyo Sugai

And it was also very modern BAND-ish. Like many groups from Ireland, Scotland, America, and beyond, tricolor has this band sound. They write a lot of their own tunes. They add grooves and riffs. They have colorful harmonies. There’s a lot of variety and catchy appeal in their arrangements.

Nothing so Japanese about it, really. It’s a modern, commercial, Celtic band, which is familiar to me.

If I’d had any of my own amazement about all the trad music players in far off Japan, it was quickly fading. And turning into easy enjoyment of great music, wonderful company, delicious food… and celebratory cake.

Tune: “Red Yellow Blue,” from キネン (kine)
Artist: tricolor

So, the cake gig with the stunning stage backdrop– this concert was, in a way seven years in the making.

(YUKA starts story in Japanese)

It all started when Yuka sent me an email. She told me about her band tricolor. Said they were recording a new album. Their third album. And they wanted to record my tune “Anniversary Reel.”

That was back in 2012. And we stayed in touch.

Then for Tricolor’s 10th anniversary, Yuka invited me to compose a tune for the band. I wrote “Red Yellow Blue,’ thinking of the three of them—Yuka, Koji, and Hirofumi, each as a strong primary color. And when they combine, they create a multitude of hues, and moods together.

Yuka wrote a tune to go with it, called Contrail. She imagined a blue sky, with three brightly colored paper airplanes flying in the wind. We recorded the whole thing remotely. And we liked the process so much, we decided to try it in person for tricolor’s 10th anniversary tour, and bring our remote collaboration and friendship, from long distance dream into real life.

I learned a few Japanese phrases, packed a good book and my Nidra sleep mask for the plane. And 20 hours later, I was sitting in a rehearsal room with my pals, running through our set for the shows.

If the experience had ended there, it would have been great enough. But we went on to do concerts around the country. We got to travel together and eat meals together. We played in sessions together. We went to an Owl cafe (where this creepy old owl fell in love with me and flew back and forth over my head. He was weird and not super gracious.)

But except for my owl suitor, everybody else was so yashashi—so kind. And so gracious about speaking English with me:

Tune: “Slip Jig Dreams,” from Production Music Made for Irish Music Stories
Artist: Matt Heaton (guitar)

Shannon)THANK you for speaking English with me, because I can’t speak Japanese. But also we don’t have to speak words

Yuka) I cannot English well, but Shannon and I play music together. It’s so great!

Shannon) It’s so great…

Tune: “Aghaidh Jhanuis,” from Guitarscape Artist: Hirofumi Nakamura

Yuka Nakafuji knows what it’s like to make connections with people, even when you’re not fluent in a language. She knows what it’s like to be a fish out of water. She went to Ireland when she was a teenager:

Yuka) When I was a child I went to Ireland. I can’t speak English. But I went to Irish session. Everybody said, “Welcome. Join the session!” So I played Irish music with Irish people, It’s so fantastic for me.

The thing that GOT Yuka to Ireland—and to Irish music in the first place—was hearing the Irish band Altan. Her family friend gave her a ticket to the Altan’s first ever tour of Japan, and she was mesmerized.

Tune: “Mill Na Máidí,” from Harvest Storm Artist: Altan

YUKA: I had never heard Irish music. And I felt so excited. And I also wanted to play this music!

After hearing Altan, Yuka headed to Walton’s New School of Music in Dublin for a month. There she met fiddle player Brendan O’Sullivan. He showed her the ropes. And he taught her about rhythmic ‘lift’:

Yuka) Irish music and Japanese old folk music is similar melody. And the count is 1234. But we don’t have the…

Shannon) You don’t have the upbeat?

Yuka) Yeah! Ch-ch-ch-ch

Brendan taught Yuka how to play with rhythmic style, and made her feel welcome in Dublin. And just as Yuka had been welcomed in Ireland, she opened the door to me in Japan

Shannon) Thank you for welcoming me to Japan. It’s been an honor and a pleasure

Yuka) YES! My pleasure. And my dream!

Shannon) Mine too

Yuka) Arigato-gozaimas!

* * * *

Arigato-gozaimas and thank you for listening! Here’s a short message from my son Nigel

It takes a lot of time and a lot of travelling to create this show. If you can kick in, just go to IrishMusicStories.org. Any amount helps. Thank you.
* * * *

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