フルーターなお話

ライター:ネットショップ 店長:上岡

フルート吹きが「フルーター」と呼ばれていた時代、とは言ってもその時代のフルート吹きはみんな木製を使っていました。

https://celtnofue.com/blog/archives/2255

そこから進化して、現在のベーム式と呼ばれるキー付きフルートが発明されて、それがそのうち金属製になっていきました。

そして、多くのフルーティストはそちらに流れていったのです。

では、アイリッシュはなぜ金属に流れていかなかったのでしょうか?

それはケルト音楽を演奏する限り、木のフルートの方が都合がよかったからなのでしょうね。(単に最新式フルートが長い間伝来しなかったのかもしれませんが…)

金属製のフルートは全部の指孔をキーで押さえる仕組みですが、木製のフルートは直接指孔を押さえることができます。

指で直接押さえられるということは、「スライド」といって指を指孔から少しずつ離していく(or 押さえていく)ことで音の継ぎ目をなくす技法だったり、指を使ったビブラート(開いてる指孔をパタパタパタ)が自在に使える、という伝統音楽には欠かせない技法が使えるという大きな利点があります。

当然、昔は全員が木製だったのでジャンルや国を問わず、みんなこの技法を使っていました。(多分)

そしてケルトっ子は、みんなが徐々に金属製のフルートへと変化を遂げる中で、使われなくなった技法を、今もなお保存しているというわけです。

また、キーなしフルートにはもう一つ、大きな利点が…。

それは利き手を選ばないということ。

木製のアイリッシュ・フルートを演奏する人の動画を見て、何か違和感があるな?と思った時に、「フルートの構え方が逆!」と気づくことが、たまに結構あります。

クラシックの住人(店長もこのひとり)には発想すらない左利き構え。

右利きにも、そして左利きにも変な強制力を持っていない「素朴な」アイリッシュ・フルート。

なんとなく、吹きたくなりませんか?

関連記事

https://celtnofue.com/blog/archives/2255