COVID-19とトラッド音楽

ライター:hatao

ウグイスが鳴きぽかぽか陽気のこの頃、桜もちらほらと開き始めました。

日本の見慣れたのどかな風景と、見えない疫病の脅威とのコントラストが印象的な春を迎えています。

日本ではまだ外出規制や都市封鎖などの重大なアクションは取られていませんが、ヨーロッパではご存知のとおり、深刻な事態に発展しています。

BBCの記事によりますとアイルランドでは3月15日の時点で169人が感染、2名が死亡したとのことです。

アイルランドのバラッカー首相は16日、感染者数は3月末までに約15,000人に達するとの予想を発表しました。

このため、3月29日まですべてのパブが閉鎖、大規模集会も禁止されました。

本来であれば3月17日はアイルランド最大のお祭りセント・パトリックス・デイを集まって祝う日でしたが、おそらくアイルランド史上初、最も静かなセント・パトリックス・デイを経験しました。

日本でも大阪のライブハウスでクラスター感染が発生したことが報じられましたが、音楽イベントは換気の悪い狭い場所に人が集まり、歌ったり飲食をしたり、客どうしが濃厚接触するケースが多いため、感染症は音楽家にとっては最も対処がしにくい対象と言えるでしょう。

このような状況はヨーロッパ中で広がっており、コンサート、フェスティバルなどイベントはキャンセルになり、ミュージシャンは自宅に待機するほかないという状況になっています。

しかし不屈の精神で困難を乗り越えてきた伝統音楽は、ただ黙って受け入れているわけではありません。

インターネットという現代の利器を用いた新たな試みが始まりました。

私が愛聴している、アメリカのジャズ/トラッドピアニストのニール・パールマンのポッドキャスト”TradCafe”では、伝統音楽家らによる活動や、収入の道が途絶えた音楽家を救うためのプロジェクトが紹介されています。

http://www.tradcafe.org/covid19-musician-aid-list

この番組で紹介されているいくつかのプロジェクトをご紹介します。

Stay at Home Festival

https://stayathomefestival.com/

スペインに滞在中のトラッド・ミュージシャンが立ち上げたインスタグラムでのライブ配信プロジェクトです。

Neil Pearlman、スコッチフィドルのAlasdair FraserやKatie McNally、ガリシアのミュージシャンが参加予定です。

日本時間の3月21日午前2時から3日間にわたって開催します。

各自ミュージシャンのインスタグラムアカウントをフォローして視聴ください。

番組表は公式ホームページ(上記)から。

公式インスタグラムアカウント @stayathomefestival

Tune Supply

https://tune.supply/

アメリカの伝統音楽家が立ち上げたプロジェクトです。

シンガー、ダンサー、楽器奏者など大勢の講師から好みの講師に1対1のレッスンや録音の作成を依頼することができます。

講師一覧はこちらです。

https://tune.supply/musicians

その他にも

友人からライブ配信のお知らせが入りました。

Musik I Syd

https://www.facebook.com/events/346813786224432/

日本時間の2020年03月25日(水) 深夜03:00に予定しているスウェーデン南部の伝統音楽家によるライブストリーム配信です。

Magnus Holmström (nyckelharpa) and Tomas Lindberg (guitar)などが出演予定。

他にも個別のアーティストやバンドによるライブ配信やネット上のアイリッシュ・セッションも行われているようです。

私はFacebookで、フルーティストのSylvain Barouがオンライン・レッスンを始めたことを知り、さっそく予約しました。

これまでツアーなどでレッスンの機会が少なかった有名アーティストから直接レッスンを受けることは私達アジア人にとってはめったに無い機会ですし、音楽家の収入をレッスンで支えることは、彼らが、このいつまで続くともわからない危機を乗り越えるためにできる私達の数少ない支援の方法だと思います。

この春は自宅で伝統音楽を楽しみましょう!