【第13回:7日目 シカゴをあとにして…】アメリカ・カナダとケルトのこじつけ旅行記

さて、実は本日は移動日です。

今日は先生やギターのお兄さんにお別れと感謝を述べまして、空港からカナダはトロントに出発です。

アメリカに入るのはたいへん大変ですが、アメリカから出るのは大して大変じゃないこともあり、サクッと出国審査も終え、搭乗ゲートに到着。

最初にシカゴの空港についたときは、「アメリカ、ナンカコワイ」みたいな状態でしたが、さすがに慣れてきたので、もうサックサクです。

カナダに行くとはいえ、シカゴ→トロントは、大きな湖を超えるだけですから、大した距離じゃありません。

ということはもちろんテレビもなければ、大して読み物もないんですね。

暇だなー、でもついにカナダに行けるんだ、と心を踊らせること……

5時間。

はい、そうなんです、昨晩花火大会のあとにやってきた雷雨のあんちゃんが、あろうことかトロント方面にお進みになられまして、飛行機が安全に飛ぶための条件を根こそぎ破壊していかれたんですね。

そんなわけで「飛べるかな?飛べないかな?もしかしたら飛べるかもしれません。あ、やっぱり飛べないかもしれません。おっと、前の飛行機が動きましたので、順次そちらに続きます、え?あぁ前の飛行機はやっぱり飛ばないそうです」的な、この感じを割と長い時間味わいまして、もう仕方ないので(てか一人じゃ寂しいので)隣のお兄さんとお話していました。

ちょうどこの次の次に行く予定のサンフランシスコに住んだことのあるお兄さんだったので、とりあえず行くべきところと、美味しい中南米 or 中近東料理について質問しまくりました。

さて、店長はとっても感動したんですが、この状況で怒る人ってほとんどいないんですねー。

っていうか、イライラする人すらあんまり見受けられない。

「はは、天気だけは仕方ないね」みたいな感じで、「飛行機なんてそんなもん」精神というか、前提が素晴らしい。

ちなみにお一人だけCAさんに「どうなってるんだ」って怒ってた人はいたんですが、CAさんも「私は神様ですか?いやいや、私はCAなんで、ただのCAなんで、天候の制御はできませんから。あんなこといいな、できたらいいなとは思いますけど、できませんから!」ってきっちり反論します。

そして反論が終わるやいなや、みんなCAさんをねぎらう、ねぎらう。

「お兄ちゃん、大変だったね、でもお兄ちゃんは間違ってないぜ」「いやいや、あんたはよくやってくれてるよ」「飛んでも飛ばなくてもいいから、もっとリラックスしなよ」みたいな、なんでしょうこのハートウォーミングな展開。

地味にすっごい感動してしまいました。

ちなみに店長はほとんどのことではイライラしない人種なので、5時間待たされようが、別に大したことはないんですが、ただカナダで会う予定の友だちが今か今かと待ってくれていたので、インターネットがつながらない時間だけがちょい心配ではありました。

結局、「それではみなさん、お待たせしました!!」ざわざわ…「いざ搭乗口に戻ります!!」みたいなちょっとしたオチもつきまして、ゾロゾロとみんなで空港に戻り、そこから代わりのチケットを取るために「プーさんのハニーハント」ばりに長蛇の列を作ります。

こんな時だけはひとり旅は損ですね、一瞬も列を離れられないので、もう前後の人と友だちになるしかありません。(そしてやっぱり誰もイライラしてない、えらいぞみんな!)

こんな状況ですから、代替えチケットを発行する飛行機会社のスタッフの人は針のむしろなんじゃないかしらとすごく心配してたんですが、全然、全く、余裕しゃくしゃくでコーヒーとベーグル片手に、よっこいせ、「はいどうぞー、で、今日はどうされました?」ぐらいのノリなので、なんだかこの日は「ストレスを感じてる人が少ない空間の素晴らしさ」を実感した1日になりました。

さて、ようやく店長の番になったので、そして一刻も早く友だちに会いたいので「明日の早い便に替えてもらえますか?」って言ったら、「もちろん、オッケー、ちょっと待ってね。はいどうぞ」「ありがとうございます」「えっと、明日の出発は午前5:20ね。…え?さすがに早すぎね?」みたいなサプライズもありながら半日ほど前に感動のお別れをした先生と、夜の10時半ごろ再会です。(いやほんと、迎えに来ていただき、そしてもう一晩泊まらせていただきありがとうございます)

帰り道、今日の自分へのご褒美にピザを丸1枚買いまして(だって朝から食べたないからね)、完食しておやすみなさい。