【イベントレポート前編】Féile Tokyo(フェーレトーキョー)

2019年6月14日~16日に東京で、アイルランドの伝統ダンスと伝統音楽の祭典「フェーレ東京」が開催されました。

ケルトの笛屋さんは公式スポンサーとしてフェーレ東京を応援しており、当日の様子を当店レポーターの天野朋美さんが取材しました。

コンペティションのルールについてはこちら
CLÁR NA gCOMÓRTAS 2017(pdfファイル)
コンペティションの結果はこちら
フェーレ・トーキョー2019 音楽・ダンスコンペ予選通過結果

はじめに

ここ数年、日本ではハロウィーンやセントパトリックデーなどアイルランドのイベントが都市部だけでなく全国的に注目されています。

そんな中、今回ご紹介する「Féile Tokyo(フェーレトーキョー)」は、アイルランド音楽とダンスを深く楽しみ学ぶことが出来るお祭りです。

ケルトの笛屋さんもスポンサーとして参加しているこのイベント。

私、天野朋美もケルトの笛屋さんレポーターとして参加してきました!

フェーレトーキョーとは?

Féile TokyoとはCCÉ(アイルランド音楽家協会)JAPANが主催する、音楽とダンスの祭典のこと。

Féile(フェーレ)とはアイルランド語で「お祭り」という意味で、今回で4度目の開催を迎えます。

開催当初はアイルランドにあるCCÉ本部から「歴史的にアイルランドからの移民が多いというわけではない日本がなぜフェーレの開催を熱望するのか?」という疑問があったそうですが、今では「日本支部はとても頑張っているね!」と言われるまでの盛り上がりを見せているそうです。

どんなことが体験できるの?

  • 音楽、ダンスのコンペティション(コンクール)
  • 本場ミュージシャンとダンサーによるワークショップ
  • アイルランドと日本が共演するコンサート
  • アイルランド体験広場(フィドル無料健康診断、楽器展示販売、バザー、初心者セッション)
  • ケーリーと呼ばれるダンスパーティ
  • SCT試験(目に見えてわかるアイルランド音楽スキルテスト)
    • いざ会場へ!

      この日は早稲田奉仕園とTokyo Concerts Lab.の2会場で様々なプログラムが開催されました。

      天気はあいにくの大雨でしたが、室内での開催であり2会場は隣接しているので移動もスムーズです。

      受付

      Tokyo Concerts Lab.で迎えてくれたこちらの幕。

      ケルトの笛屋さんのお馴染みのマークも載っています。

      グリーンのTシャツやアイルランド国旗の色合いのスカーフを身に着けた素敵な女性スタッフが出迎えてくれました。

      受付が始まる前から待っている方も複数名おり、遠方からきている方も多いようです。

      参加者はリストバンドを着用します。

      Oisín Mac Diarmadaによる伝統音楽レクチャー

      受付を済ませ、隣接する早稲田奉仕園会場へ。

      大きなスクリーンを囲うように椅子が並べており、席は前の方から埋まっていきます。

      フィドル奏者のOisín Mac Diarmadaがアイルランド伝統音楽において素晴らしい功績を残した8人のミュージシャンについて、演奏音源や貴重な演奏動画を交えながら解説していきます。

      1.Paddy Fahey

      ドニゴール出身のフィドル奏者。

      アイルランド伝統音楽では無名の楽曲が多い中、フィドル奏者の作曲家として最初に名を成した。

      なめらかな弓の使い方が特徴的であり、たくさんのミュージシャンに影響を与えている。

      シャイな性格もあり、演奏動画はほとんど残っていない。

      この日は特別に見せていただきました!

      2.Tommy People

      ドニゴール出身のフィドル奏者。

      ドニゴールの音楽のみならず、他の要素も取り入れた演奏スタイル。

      作曲家としても個性的。

      3.Liam O’Flynn

      キルデア出身のイーリアンパイプス奏者。

      イーリアンパイプスは長い期間演奏しなければ弾きこなせない楽器であり、彼はリズムや音程などとても正確で美しい演奏を聴かせてくれる。

      4.Ellen(Nell)Galvin

      西クレア出身のフィドル奏者。

      クレア地方の音楽が知られる前から活動している。

      盲目のパイパーから影響を受けており、ドローンを聴かせた演奏が特徴。

      5.Paddy Cronin

      ケリー出身のフィドル奏者。

      アメリカへ渡り他の音楽の影響を受ける。

      テンポ感がとても美しく、少しとがったトークも魅力的。

      彼らのほかには、ケリー出身のフィドル奏者Julia Clifford、東クレア出身のフィドル奏者でありイーリアンパイプ奏者のMartin Rochford、クレア出身のコンサルティーナ奏者Elizabeth Crottyについて話してくれました。

      10分ほどの休憩をはさみ質問タイムへ。

      Q1.昔はどうやって音楽を学ぶのですか?

      A1.昔は今のように学校では教えてくれないので、まずは演奏家に何とかして近づき習います。音楽一家に生まれたら、それはとても幸運な事です

      Q2.なぜ過去の音楽家たちは楽譜に残してこなかったのですか?

      A2.ちょっとしたニュアンスがとても重要なので、きっちりと楽譜に起こすのが嫌だったということもあります。

      Q3.どんなミュージシャンから影響を受けましたか?

      A3.ケーキの材料すべてを言うことが難しいように、色々な音楽から影響を受けているのでそれを答えるのは難しいです。

      最後に「過去の遺産を受け継いでいく事は社会的なプロセスであり、それらを大切にしつつもスタイルにこだわり過ぎず、好みの演奏法で違いを出していく事が重要です。」とメッセージを残し、2時間のレクチャーは終了。

      どの話も興味深い内容で、あっという間に時間が過ぎていきました。

      ちなみにレクチャーは英語で行われましたが、CCÉの方がわかりやすく日本語に翻訳してくれるのであまり英語に自信がない方も安心です。

      Irish Village/アイルランド体験広場

      ここではフィドルの状態を無料診断してくれるフィドルクリニック、アイリッシュ楽器やCDの販売、アイルランドのお菓子やグッズのフリーマーケットがありました。

      主催のCCÉの出店もあり、ティンホイッスルや教材も入手することができます。

      高価なハンマーダルシマーやハープもどんどん売れていきます!

      私も我慢できず購入!

      • TAYTOのポテトチップス二種類
      • ビール二種類
      • ベイリーズのカクテル
      • アイルランド民話の本

      買ったお酒は今冷蔵庫で冷やしていますので、スローンチャ(アイルランド語で乾杯)仲間募集中です!

      CCÉのコーナーでは教材やホイッスルを販売しています。

      チラシコーナーではケルトの笛屋さんのケルマガを発見!

      ところで予定されていたアイリッシュ初心者セッションは今回は開催されませんでした。

      副会長さんにお話を伺うと、今日はプレイヤーではなく聴きに来ている方が多いからとのこと。

      運営の方々もその場で対応を変えるなどして、来場された方々に少しでもFéile Tokyoを楽しんでもらいたいとの想いが伝わってきます。

      続きは後編で!

      https://celtnofue.com/blog/archives/2115

      関連リンク

      執筆ライター

      取材・写真:天野朋美(あまのともみ)
      山梨県出身。ケルトの魅力にハマってしまったシンガーソングライター、ティンホイッスル奏者。
      https://twitter.com/ToMu_1234